卵黄性腹膜炎
概要
鳥における代謝性の生殖器系疾患。卵黄性腹膜炎は適切な診断と治療管理が重要である。早期発見と適切な介入が予後改善の鍵となる。
主な症状
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臨床徴候
鳥における卵黄性腹膜炎の臨床徴候は感染部位と病原体特性により多様だが、共通所見として発熱・元気消失・食欲不振・体重減少が認められる。局所感染では発赤・腫脹・疼痛・排膿を、全身感染では脱水・敗血症・多臓器不全に進展しうる。幼若・高齢・免疫抑制状態は重症化リスクが高く、早期介入が予後改善に直結する。
原因
鳥における代謝性の生殖器系疾患。卵黄性腹膜炎は適切な診断と治療管理が重要である。早期発見と適切な介入が予後改善の鍵となる。
病態生理
鳥の卵黄性腹膜炎は臨床的に重要な疾患で、病原体(細菌・ウイルス・真菌・原虫)の感染が直接的な原因であり、宿主の免疫力低下、過密飼育、不衛生な環境、慢性的ストレス、栄養不良、併発疾患が感染リスクを著しく増大させる。病態の進行は原因と宿主の免疫状態に依存する。早期発見・早期治療が予後改善の鍵。
診断
腹部膨満・呼吸困難・産卵停止の臨床評価。腹部X線で体腔内液体貯留・粒状陰影を確認。腹部超音波で遊離卵黄・卵管異常・体腔液を描出。CBC(採血量≤体重の1%)でヘテロフィル著増・H/L比上昇を確認。血液生化学でTP上昇・Ca上昇(産卵活動)・AST上昇を測定。体腔穿刺液の細胞診で卵黄物質・ヘテロフィル浸潤を確認。培養でE. coli等の二次感染菌を同定。鳥類では卵胞破裂や逆蠕動により卵黄が体腔内に遊離し、重篤な体腔炎を惹起する
治療
卵黄性腹膜炎(yolk coelomitis)。卵黄が腹腔内に漏出 → 化学的腹膜炎+細菌感染。慢性産卵雌鳥で最多 — 緊急管理が必要な致死的疾患。治療 — 積極的支持療法+抗菌薬+ホルモン制御: 抗菌薬(広域スペクトル — 培養+感受性推奨): エンロフロキサシン 15-30 mg/kg PO/IM q12h × 21日以上。 + ペニシリン系(アモキシシリン/クラブラン酸 125 mg/kg PO q12h)併用。 重症: セフタジジム 100 mg/kg IM q8h + メトロニダゾール 20 mg/kg PO q12h。 一般的起因菌: E. coli、Staphylococcus、Streptococcus、嫌気性菌。積極的支持療法: 輸液: 100-150 mL/kg/日 皮下/骨髄内 × 数日。 保温(28-30°C)、酸素療法(腹部膨満 → 呼吸困難)。 鎮痛: メロキシカム 1 mg/kg PO/IM q12h。 重症: ブトルファノール 1-3 mg/kg IM q4-6h。 栄養管理: 強制給餌(食欲廃絶時)。腹腔穿刺(診断+治療): 超音波ガイド下、22G針で腹腔液採取。 黄色混濁液 → 卵黄性。細胞診で卵黄顆粒+炎症細胞。 培養 → 起因菌同定。 過剰液貯留の排液(呼吸改善)。ホルモン制御(必須 — 産卵停止): ロイプロリド 400-800 μg/kg IM q14-28日。 デスロレリン(Suprelorin)4.7mgインプラント(長期管理)。外科的介入(難治/再発性): 腹腔洗浄: 開腹 → 温生食での洗浄 → 閉腹。 卵管摘出術(salpingohysterectomy): 根治的治療。 — 技術的に困難(大動脈/腎臓近接)だが再発防止に最適。診断: 超音波(腹腔液、卵材料)、X線(腹部混濁、気嚢圧迫)、細胞診。予後: 早期治療で良好。敗血症併発は予後不良。慢性産卵なら卵管摘出を推奨。
予防
鳥における卵黄性腹膜炎の予防は適切なワクチネーションプログラムの実施が中核である(利用可能な場合)。衛生的飼育環境の維持、新規導入動物の検疫期間設定(最低14日、感染症によっては60日以上)、過密飼育の回避、適切な栄養管理による免疫力維持、ストレス軽減が重要。感染動物との接触回避、汚染器具・環境の消毒(次亜塩素酸・アルコール系・第四級アンモニウム製剤を病原体に応じて選択)を徹底する。定期的健康診断による早期発見と治療が蔓延防止に寄与する。
予後
鳥における卵黄性腹膜炎の予後は病原体の毒力・宿主免疫状態・治療開始時期・基礎疾患の有無により大きく異なる。早期診断と適切な抗病原体療法・支持療法により多くの感染症は良好な予後となる。宿主の免疫抑制・若齢・高齢・多臓器不全併発例は予後不良となりうる。再発・慢性化・薬剤耐性発現も予後に影響する重要因子である。
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