鳥クラミジア性結膜炎
概要
Chlamydia psittaciによる結膜炎で、しばしば鳥クラミジア症(オウム病)の初発・時に唯一の徴候。典型的には結膜腫脹・眼脂と鼻汁・くしゃみ・元気消失で、初期は片側性のこともある。重要な人獣共通感染症であり、感染鳥はヒトにオウム病(インフルエンザ様症状・非定型肺炎)を伝播しうるため、取扱い時の感染対策と長期のドキシサイクリン治療が不可欠である。
主な症状
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臨床徴候
鳥クラミジア性結膜炎の臨床徴候は感染部位と病原体特性により多様だが、共通所見として発熱・元気消失・食欲不振・体重減少が認められる。局所感染では発赤・腫脹・疼痛・排膿を、全身感染では脱水・敗血症・多臓器不全に進展しうる。幼若・高齢・免疫抑制状態は重症化リスクが高く、早期介入が予後改善に直結する。
原因
偏性細胞内寄生菌Chlamydia psittaci。糞便・呼吸器/眼分泌物中に排出される感染性基本小体の吸入・経口摂取で感染する。ストレス・過密・最近の導入(ペットショップ/輸入鳥)が発症と排菌のリスクを高める。
病態生理
Chlamydia psittaciは基本小体として粘膜上皮細胞に侵入し、細胞質内封入体の中で増殖型の網様体に分化、細胞を溶解して新たな基本小体を放出する。結膜では著明なリンパ濾胞性結膜炎・結膜浮腫・眼脂を生じる。結膜は眼窩下洞・呼吸器とつながるため、感染はしばしば副鼻腔炎・鼻炎・全身性クラミジア症(肝炎・脾炎・気嚢炎)へ波及する。細胞内寄生により持続感染と間欠的排菌が可能となり、伝播と人獣共通リスクが維持される。
診断
眼科検査で結膜充血・眼脂(粘液膿性)・眼瞼腫脹・角膜浮腫を評価。結膜スワブのChlamydia psittaci PCR検査で病原体を検出。細胞診でヘテロフィル・マクロファージ浸潤と細胞質内封入体を検索。血清学検査(CF試験・ELISA)で抗体価を測定。CBC(採血量≤体重の1%)でヘテロフィル増加・単球増多を確認。副鼻腔X線で副鼻腔炎の合併を評価。鳥類のChlamydia結膜炎は片側性で発症し全身感染(オウム病)の部分症状であることが多く、人獣共通感染症として公衆衛生上も重要
治療
ドキシサイクリンが治療の基本: 25-50mg/kg PO q12-24hを45日間(オウム病の標準的駆除期間)、または長時間作用型ドキシサイクリン注射の反復。局所にオフロキサシン点眼q6-8h。全症例で隔離と厳格な人獣共通感染対策(手袋・マスク・ケージ消毒、飼い主への啓発と必要時の医療機関受診)。カルシウムが多い食事はドキシサイクリン吸収を阻害するため投与中は調整。同居鳥は全頭を検査・治療する。治療反応をPCRで確認する。
予防
鳥クラミジア性結膜炎の予防には適切な衛生管理・消毒、利用可能なワクチン接種、創傷の迅速な処置、ストレス軽減、適切な換気、感染動物の隔離が含まれる。
予後
鳥クラミジア性結膜炎の予後: 早期治療で視機能温存可能。慢性疾患は長期管理が必要。網膜疾患は不可逆的な場合がある。
関連する薬品
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