腸脱
概要
総排泄腔からの腸管組織の脱出。速やかな獣医処置が必要。
主な症状
原因
消化器系組織への物理的外傷が原因。転落・ケージ損傷・取扱い事故・同居個体や捕食者からの咬傷・環境危険物が一般的原因。両生類の解剖学的特性が特定の損傷タイプへの素因となりうる。二次合併症として感染・治癒遅延・慢性疼痛がある。
病態生理
両生類の消化器系組織への外傷性損傷は、挫傷・裂傷・骨折を含む直接的な機械的組織損傷を引き起こす。急性炎症反応により浮腫・出血・疼痛が生じる。二次合併症として細菌汚染・感染・治癒遅延がある。両生類では損傷からのストレスが追加の全身合併症を引き起こしうる。
治療
腸脱治療(両生類)——腸管生存性保持には2-4時間以内の迅速対応が必須。1. 迅速評価: 脱出組織の色(ピンク/赤=生存 vs 暗紫/黒=虚血)、湿潤度、範囲(部分粘膜 vs 全層)を評価。全評価中は滅菌食塩水浸漬ガーゼで湿潤保持。2. MS-222鎮静100-150mg/L緩衝pH 7.0-7.4で操作。3. 生存性脱出の整復プロトコル: 4-10℃の滅菌両生類リンゲル液で愛護的洗浄(冷却で浮腫軽減)。50%ブドウ糖または3%高張食塩水湿布5-10分で組織からの水分吸引・腫脹軽減。水溶性ゼリーで潤滑。滑らかな鈍針(または大型種では手袋の小指)で組織を総排泄腔から愛護的に挿入/反転戻し。ゆっくり小刻みに進める。4. 保持: 4-0〜5-0モノフィラメント吸収糸のキンチャク縫合を総排泄腔周囲に1針、糞排出用2-3mm開口残す。3-5日後抜糸。5. 非生存/壊死時の外科切除: MS-222麻酔下で腸管外在化、生存部/壊死部境界を5-0 PDSで結紮、壊死部切除、5-0〜6-0 PDS単純結節縫合で端端吻合。小内腔のため精密な縫合技術必須。6. 抗菌薬: セフタジジム20mg/kg ICe/SC q72h×3-4回(Aeromonas、Pseudomonasカバー)+メトロニダゾール50mg/kg PO q24h×7日(腸操作の嫌気性カバー)。7. 鎮痛: ブトルファノール0.5-1mg/kg SC/ICe q12h+メロキシカム0.2mg/kg SC q24h×5-7日。8. 輸液支持: 腹腔内LRS 25-50mL/kg q12h×72時間、0.6%NaCl浅浴、種別POTZ温度。整復後72時間絶食、その後小型軟餌。9. 基礎原因対処: 寄生虫(糞便検査、フェンベンダゾール50mg/kg PO q24h×5日または吸虫/条虫用プラジカンテル8-24mg/kg PO q14d)、慢性いきみ(異物、便秘、難産)、飼育不良(基質閉塞リスク)。10. 2-4週間再発監視、いきみ軽減のため餌サイズ・頻度を削減。予後: 全生存時は慎重〜良好、壊死かつ小型患者での腸切除困難時は重篤。死亡率30-60%。
予防
予防には適切な飼育管理(適切な食事・清潔な環境・最適な温湿度);定期的な獣医師の健康診断;新規動物の検疫;ストレス軽減;種特異的予防措置が含まれる
予後
外傷の予後は損傷の重症度と合併症の有無に依存する。軽度外傷は適切な創傷管理で予後良好。重度外傷、多発骨折、脊髄損傷は予後慎重〜不良。早期治療と適切な疼痛管理が回復を促進する。
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