💊 メトホルミン
Metformin / メトホルミン
作用機序
ビグアナイド系インスリン抵抗性改善薬。AMPキナーゼを活性化して肝糖新生を抑制し、末梢(筋)でのインスリン介在性グルコース取り込みを増強する。インスリン分泌は刺激しないため単剤で低血糖を起こさない。
Biguanide insulin sensitizer: activates AMP-kinase, suppressing hepatic gluconeogenesis and enhancing peripheral (muscle) insulin-mediated glucose uptake without stimulating insulin secretion — no hypoglycemia risk as monotherapy.
動物種別 投与量
| 動物種 | 安全性 | 用量 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 犬 Dog |
✕ 禁忌 | 適応なし — 犬の糖尿病はインスリン依存性(β細胞喪失)であり、インスリン抵抗性改善薬の単独では血糖管理不能。 | インスリンを使用する。犬でのメトホルミンの確立された役割はない。 |
| 猫 Cat |
✓ 可 | 25-50 mg/頭 経口 12時間毎(過去の用法。有効性は限定的)。猫糖尿病にはインスリン(グラルギン/PZI)またはSGLT2阻害薬(ベキサグリフロジン/ベラグリフロジン)が強く優先される。 | 糖尿病猫での試験は反応不良で、元気消失・食欲不振・嘔吐が報告された。腎機能低下例では使用を避ける(乳酸アシドーシスリスク)。現在は主に歴史的位置づけ。 |
| 馬 Horse |
✓ 可 | 15-30 mg/kg 経口 8-12時間毎。給餌・放牧の30-60分前に投与(経口バイオアベイラビリティは約4-7%と低く、血糖負荷に合わせる)。Durham 2008: 15 mg/kg 12時間毎でEMSポニーのインスリン感受性が改善。 | 食事・運動療法で不十分なEMS/インスリン調節異常(蹄葉炎リスク例)の補助療法。エビデンスは限定的(作用は主に腸管レベルの可能性)— NSC制限と減量が第一。6-12週後にインスリン(経口糖負荷試験)を再評価。 |
| デグー Degu |
✓ 可 | 用量未確立。デグーのインスリン抵抗性は厳格な食事管理(糖分・果物禁止)・体重管理・運動で管理し、薬物療法が必要になることは稀。 | デグーは食事性の高血糖・白内障を起こしやすい。飼育管理による予防が標準。 |
主な副作用
- ⚠️ 消化器症状(食欲不振・嘔吐・下痢)、猫で元気消失。腎機能低下例で乳酸アシドーシス(稀)
禁忌・注意
🚫 腎機能不全、肝不全、脱水・ショック、重症疾患(乳酸アシドーシスリスク)。インスリン依存性糖尿病でのインスリンの代替にはならない。
薬物相互作用
| 併用薬 | 影響 |
|---|---|
| Insulin | 併用で血糖降下作用が相加的。低血糖に注意(獣医療での併用は稀) |
| Furosemide | メトホルミン血中濃度を上昇させることがある。腎機能と水和状態をモニタリング |
この薬が使われる疾患
横紋筋融解症(月曜病) 馬
高カリウム性周期性麻痺(HYPP) 馬
低カルシウム血症(輸送テタニー) 馬
蹄葉炎 馬
悪性高熱 馬
腎不全 馬
糖尿病 デグー
横紋筋融解症(タイングアップ) 馬
低カルシウム血症 馬
低カルシウム血症 オウム
低マグネシウム血症 馬
栄養性筋変性症(白筋症) 馬
栄養性二次性上皮小体機能亢進症 馬
多糖体蓄積性ミオパチー(PSSM) 馬
多糖類蓄積性ミオパシー (PSSM) 馬
セレン欠乏症 馬
馬甲状腺機能亢進症 馬
馬甲状腺機能低下症 馬
馬メタボリック症候群 (EMS) 馬
馬メタボリック症候群 馬
副腎皮質機能亢進症 馬
低カリウム血症 馬
低ナトリウム血症 馬
甲状腺機能低下症 馬
内分泌薬の他の薬品
VetDictで鑑別診断・薬用量を確認する
薬品辞典を開く
※ 本ページの用量・相互作用情報は獣医学的参考資料であり、処方の代替ではありません。投与前に必ず原典(Plumb's Veterinary Drug Handbook 等)および添付文書で再確認し、獣医師の判断のもとで使用してください。
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。