床材インパクション
概要
床材の摂取による消化管閉塞。
主な症状
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臨床徴候
リクガメにおける床材インパクションの臨床徴候は消化管病変の部位と病態により異なる。上部消化管: 嘔吐・吐血・食欲不振。小腸: 下痢(小腸性: 量多・回数少・体重減少を伴う)・嘔吐・腹痛。大腸: 下痢(大腸性: 量少・回数多・粘液・血便・テネスムス)。急性腹症: 強い腹痛・嘔吐・ショック徴候・腹部触診で腫瘤や緊張感(GDV・腸捻転・腸閉塞)は緊急評価が必要。
原因
リクガメにおける床材インパクションの原因: 床材の摂取による消化管閉塞。
病態生理
床材インパクションはリクガメにおける消化器疾患である。粘膜の完全性、運動性、分泌機能、またはマイクロバイオームバランスの障害を伴う。炎症により上皮バリアが損傷し、吸収不良、体液喪失、細菌トランスロケーションの可能性がある。運動障害(低運動性/うっ滞または亢進)により通過時間と消化効率が変化する。後腸発酵動物では盲腸/結腸フローラの破壊が致死的ディスバイオーシスと腸管毒素症を引き起こしうる。
診断
X線撮影が第一選択で、消化管内の基材(砂・木片・人工芝片など)の高密度異物を描出。腹背像・側面像の2方向撮影が必須。造影X線(バリウム)で通過障害の部位と程度を評価。超音波で腸管拡張・蠕動低下を確認。触診で体腔内の異物塊を触知する場合がある。CBC(脱水による血液濃縮)・血液生化学(UA上昇→腎前性高尿酸血症、電解質異常)で全身状態を評価。飼育環境の基材の種類・食餌内容の聴取が原因特定に必須。POTZ内管理で代謝を維持して検査を実施。
治療
【診断】X線で消化管内放射線不透過性砂礫像確認(背腹+側面)、超音波で腸管壁・蠕動評価。【保存療法(第一選択)】温浴(28-32℃、20-30分/日 × 1-2週間)で水分補給と排便促進、輸液療法 ICe/SC 乳酸リンゲル液 20-40 mL/kg/日。サイリウム(オオバコ種子殻) 100-300 mg/kg PO q24h × 7-14日 を必ず3-5倍量の水に混合してから経口・経鼻胃管投与(膨潤による砂礫包み込み・排出促進、Mader Reptile Medicine Surgery 3rd ed)。CPパウダー(サイリウム+プレ/プロバイオティクス配合、caninevet.jp/Equine & Canine Vet Nutrition)等の配合製剤は、可溶性繊維による砂礫排出促進に加えプロバイオティクスで腸内細菌叢支援が同時に得られ、特にbearded dragon・leopard gecko・sulcata tortoise等の砂基質曝露種で有用(馬の砂疝で2.7倍排砂のエビデンス転用、Landes JEVS 2008/2020)。ミネラルオイル 1 mL/kg PO 単回投与(滑剤、長期使用は脂溶性ビタミン吸収阻害のため避ける)、ラクツロース 0.5 mL/kg PO q12-24h。【消化管運動促進】メトクロプラミド 0.06-1 mg/kg PO/SC q12-24h、シサプリド 1.5 mg/kg PO q12-24h(Kummrow EVE 2010)。【外科適応】内科療法72時間不応、完全閉塞、腸管虚血徴候、巨大砂礫塊では開腹術。【最重要・再発予防】基質を粒状(砂・グラベル・小バーク)から摂食不可能なもの(リバーロックstones >口径、reptile carpet、人工芝、新聞紙)に変更、ボウル/マット給餌で基質誤食を防止、適切な水分摂取確保(週2-3回温浴)。
予防
床材インパクションの予防: 定期健診。適切な栄養。ストレス軽減。早期受診。
予後
床材インパクションの予後: 早期治療で多くは良好。定期モニタリングで管理可能。
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