ラナウイルス感染症
概要
カメ類に致死的な全身性出血性疾患を引き起こす高病原性イリドウイルスです。
主な症状
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臨床徴候
リクガメにおけるラナウイルス感染症の臨床徴候は感染部位と病原体特性により多様だが、共通所見として発熱・元気消失・食欲不振・体重減少が認められる。局所感染では発赤・腫脹・疼痛・排膿を、全身感染では脱水・敗血症・多臓器不全に進展しうる。幼若・高齢・免疫抑制状態は重症化リスクが高く、早期介入が予後改善に直結する。
原因
リクガメにおけるラナウイルス感染症の原因: カメ類に致死的な全身性出血性疾患を引き起こす高病原性イリドウイルスです。
病態生理
リクガメのラナウイルス感染症はイリドウイルス科ラナウイルス属の大型dsDNAウイルスによる致死的感染症。両生類だけでなく爬虫類(特にカメ目)にも感染し、近年報告が増加している。経口・接触感染→全身性ウイルス血症→肝臓・脾臓・腎臓の壊死性変化。リクガメでは口内炎(ulcerative stomatitis)、鼻汁、眼脂、食欲廃絶、皮膚潰瘍を呈し、致死率が高い。環境中で安定性が高く、乾燥土壌中でも数ヶ月生存しうる (Marschang RE. J Vet Diagn Invest 2011;23:423-441)。
診断
PCR(ラナウイルスMCP遺伝子)が確定診断の標準法。検体は口腔・総排泄腔スワブ、血液、または組織。急性の皮膚壊死・浮腫・口腔内出血・鼻汁の臨床所見が診断を示唆。CBC(汎血球減少症)、血液生化学(AST・LDH上昇→多臓器障害)。剖検で肝脾の多巣性壊死と好塩基性細胞質内封入体が確定的所見。リクガメの集団飼育施設では定期的PCRサーベイランスと新規導入個体の検疫隔離が疫学管理に不可欠。
治療
リクガメにおけるラナウイルス感染症: 特異的抗ウイルス療法は限定的。① 隔離(パラミクソ・アデノ・アレナ等のウイルスは爬虫類群で集団発症のリスク)。② POTZ最適化(免疫機能回復の前提)、湿度・UVB調整。③ 支持療法: 輸液 25-30 mL/kg/日 SC/ICe、強制給餌(Carnivore Care)、栄養補給。④ 二次性細菌感染予防: セフタジジム 20 mg/kg IM q72h(嫌気性カバー要時)。⑤ 重症: αインターフェロン経験的使用報告あり(エビデンス限定)。支持療法(爬虫類): 種別POTZ(preferred optimum temperature zone)維持が免疫機能回復の前提条件。輸液 25-30 mL/kg/日 SC/ICe(ノルモソルR、温熱)、強制給餌(Carnivore Care 等)、メロキシカム 0.2-0.5 mg/kg PO/IM q24-48h(NSAID持続投与時は腎機能をモニタ)。
予防
ラナウイルス感染症の予防にはワクチン接種(利用可能な場合)、新規・病気動物の隔離、厳格なバイオセキュリティ対策、適切な消毒プロトコル、既知のキャリアや汚染環境との接触回避が含まれる。
予後
ラナウイルス感染症の予後: 支持療法で多くが回復。
関連する薬品
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