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爬虫類 (Reptile) 中毒 緊急

イベルメクチン中毒

Ivermectin Toxicosis / イベルメクチン中毒

概要

カメや小型トカゲで特に重篤となるイベルメクチン過剰投与による神経毒性。

主な症状

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臨床徴候

爬虫類におけるイベルメクチン中毒の臨床徴候は毒性物質の種類と曝露量により急性〜慢性まで多様。消化器症状(嘔吐・下痢・流涎・腹痛)が最も一般的な初期所見。神経毒では振戦・痙攣・運動失調・昏睡。肝毒では黄疸・凝固障害・肝性脳症。腎毒では乏尿・尿毒症徴候。血液毒では貧血・出血傾向・メトヘモグロビン血症。心血管毒では不整脈・低血圧・ショック。急性曝露では症状発現が迅速で、早期除染と支持療法が予後を決定する。

原因

イベルメクチンの過量投与または不適切な使用。カメ類と小型トカゲは特に感受性が高い。経口、注射、局所(ポアオン)製剤で種の許容量を超える用量で中毒が発生。一部の種(カメ類、インディゴスネーク、スキンク)は極めて感受性が高い。

病態生理

イベルメクチンはCNSのGABA媒介塩素チャネルを増強し過度の神経抑制を引き起こす。CNS抑制、運動失調、弛緩性麻痺、散瞳、失明、昏睡、死亡をもたらす。カメ類では他の爬虫類で使用される治療用量でも致死的でありうる。一部の種では血液脳関門がより透過性が高い場合がある。

診断

投与歴の聴取が最重要であり、投与量・経路・最終投与日を確認する。爬虫類ではカメ類・一部のトカゲ類でイベルメクチン毒性閾値が低い。神経症状(運動失調・振戦・麻痺・瞳孔散大)の発現時期と投与の時間的関連を評価する。特異的血中濃度測定は一般に利用困難であるため、臨床診断が主体となる。POTZ維持による代謝促進と支持療法下での回復経過を追跡する。腎門脈系を考慮し、後肢からの輸液投与は避ける。

治療

特異的な解毒薬はない。最近の経口摂取の場合は除染:活性炭1-2 g/kg。支持療法:IV輸液、体温の維持、必要に応じて呼吸サポート。脂質乳剤療法(イントラリピッド20%、1.5 mL/kg IVボーラス)は哺乳類症例で効果が示されており試みてもよい。回復には数日〜数週間を要しうる。

予防

カメ類にイベルメクチンを絶対に使用しない。感受性の高い種では極度の注意を持って使用。用量決定に正確な秤の使用。感受性の高い種には代替的駆虫薬(フェンベンダゾール)の検討。

予後

要注意。軽症例は長期の支持療法で回復しうる。呼吸不全を伴う重度CNS抑制は予後不良。カメ類の症例はしばしば致死的。

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