腎疾患(腎炎)
概要
腎臓の炎症・変性により多尿、脱水、坐骨神経圧迫の可能性がある。
主な症状
原因
インコにおける腎疾患(腎炎)の原因: 腎臓の炎症・変性により多尿、脱水、坐骨神経圧迫の可能性がある。
病態生理
腎疾患(腎炎)はインコにおける栄養障害である。特定の栄養素の不十分な摂取、吸収不良、または過剰摂取により生じる。欠乏状態では、影響を受けた栄養素を補因子または基質として必要とする生化学的経路が障害され、細胞機能障害を引き起こす。過剰状態では組織への蓄積や栄養素間相互作用の障害により毒性が生じる。種特異的な食事要求により、適切な栄養管理が予防に不可欠である。
治療
セキセイインコの腎疾患(腎炎/腎症) — 高齢セキセイインコ(5歳超)で非常に多い。腎腫瘍(腺癌)と痛風が最多の腎疾患。【臨床像】: 多尿(排泄物中の水様成分増加+正常な固形糞便=真の多尿 vs 下痢)、多飲、体重減少、片側脚不全麻痺/麻痺(腎腫大による坐骨神経圧迫 — セキセイインコの典型的所見)。【診断】: 血中尿酸(>15 mg/dLで有意な腎障害を示唆 — 鳥は尿酸排泄性でBUNは腎マーカーとならない)、血中Ca/P(Ca:P比の逆転変化)、CBC(慢性疾患の貧血)、X線(腎腫大 — 腎影拡大)、超音波。【輸液療法(治療の基盤)】: 加温SC輸液(乳酸リンゲルまたはNormosol-R)50-100 mL/kg/日 — 尿酸排泄を促進し脱水を矯正。慢性管理ではq24-48hの継続輸液が必要な場合あり。【高尿酸血症管理】: アロプリノール10-30 mg/kg PO q12h — キサンチンオキシダーゼ阻害薬、尿酸産生を減少。関節痛風・内臓痛風管理に不可欠。【食餌改善】: 尿酸負荷軽減のため蛋白を減少 — 低蛋白ペレット推奨。高蛋白食品(エッグフード、豆類)を回避。十分な水分摂取を確保(複数の清潔な水源)。【腎毒性薬物の回避】: アミノグリコシド(ゲンタマイシン、アミカシン — 鳥で高度に腎毒性)を回避。高用量NSAIDs回避(メロキシカム>1 mg/kgで腎毒性リスク)。CaEDTAキレートは前水和が必要。【支持療法】: メロキシカム0.5 mg/kg PO q24h(低用量、慎重に — 抗炎症効果 vs 腎毒性リスク)。保温28-30°C。食欲不振時強制給餌。【脚麻痺】: 片側性なら坐骨神経を圧迫する腎腫瘤を疑う。X線/超音波で腎サイズ評価。腎腫瘍なら腎腫瘍エントリ参照。【モニタリング】: 活動的治療中は尿酸・体重をq2-4週、慢性管理ではq1-3ヶ月。連続X線で腎サイズ追跡。【予後】: 特定原因(感染、毒素)の急性腎炎 — 積極的治療で普通。慢性腎疾患 — 要注意(進行性・不可逆)。腎腫瘍 — 不良。参考: Echols MS (2006) Vet Clin North Am Exot Anim Pract; Phalen DN (2006). [ECVN:Block] 【補助療法オプション — Equine & Canine Vet Nutrition (caninevet.jp)】 • MSM+アミノコンプリート (MSM+必須アミノ酸(BCAA中心)): 組織修復・筋肉維持・肝腎栄養サポート ※MSM+アミノコンプリート: 重度肝・腎不全は蛋白負荷に留意
予防
腎疾患(腎炎)の予防には全ての栄養要求を満たす種に適した食事設計、単一食品のみの食事の回避、獣医師との定期的な食事内容の見直し、必要時の適切なサプリメンテーション、種固有の栄養ニーズに関する知識が必要である。
予後
腎疾患(腎炎)の予後: 早期治療で良好。
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