← トップへ戻る
インコ (Parakeet) 生殖器 重度

陰茎脱出

Phallus Prolapse / 陰茎脱出

概要

感染や外傷による雄インコの陰茎脱出。

主な症状

※ 症状をクリックすると、その症状を示すインコの他の疾患を確認できます

臨床徴候

インコにおける陰茎脱出の臨床徴候は外傷部位と重症度により異なる。骨折: 跛行(非荷重)・腫脹・捻髪音・変形・疼痛。裂傷: 出血・組織欠損・感染リスク。内臓損傷: ショック徴候・腹部緊張・呼吸困難(横隔膜ヘルニア・気胸)。脳挫傷: 意識低下・瞳孔異常・運動失調・発作。脊椎損傷: 麻痺・反射異常・排尿障害。重度外傷では多発外傷の評価と緊急安定化が予後を左右する。

原因

インコにおける陰茎脱出の原因: 感染や外傷による雄インコの陰茎脱出。

病態生理

陰茎脱出はインコにおける外傷性・機械的疾患である。罹患組織の構造的耐性を超える外部機械的力により組織損傷が生じる。損傷は出血、浮腫、疼痛を伴う急性炎症カスケードを惹起する。重症度に応じて、血管供給の途絶による虚血、環境微生物による汚染、進行性の組織壊死が生じうる。治癒過程は止血、炎症、増殖、リモデリングの各段階を経る。

診断

総排泄腔の視診で脱出した陰茎(phallus)の同定・腫脹度・粘膜色・壊死の有無を評価。脱出組織の乾燥・損傷を確認し整復可能性を判定。X線で腹腔内腫瘤(陰茎脱出の原因となる骨盤圧迫)を除外。CBC で白血球増加を確認。生化学で全身状態を評価。インコ類ではオウム目の雄は陰茎様構造(phallus)を有し、性的興奮・慢性自慰行動・腫瘤による圧迫で脱出が発生する。新鮮な脱出は湿潤保持と整復を試み、壊死組織は外科的切除の適応となる。繁殖行動の抑制が再発予防に重要である。

治療

注意: セキセイインコには真の陰茎がない(カモ類とは異なる)。この状態は雄セキセイインコの総排泄腔脱を表す。即時処置: 脱出組織を滅菌生理食塩水浸潤ガーゼで湿潤に保つ。温滅菌生理食塩水で脱出組織を愛護的に洗浄。整復: 高浸透圧溶液(50%ブドウ糖または砂糖粉末)を5-10分間塗布し浮腫を軽減、潤滑した綿棒で組織を総排泄腔内に愛護的に戻す。組織が生存可能な場合: 総排泄腔固定術(4-0/5-0吸収糸で巾着縫合 — 排便に十分な開口部を残す)。組織が壊死/重度外傷の場合: 外科的切除が必要な場合がある。メロキシカム0.5 mg/kg PO/IM q12-24hで疼痛管理。エンロフロキサシン15 mg/kg PO/IM q12hで露出組織の二次感染予防。基礎原因の調査: 総排泄腔炎、乳頭腫症、消化管寄生虫、腸炎によるしぶり、生殖器疾患。再脱出予防: いきみの原因に対処。生殖関連の場合デスロレリン4.7 mgインプラント。自己損傷する場合はEカラー。参考文献: Bowles 2006, Doneley 2016。

予防

陰茎脱出の予防には安全で種に適した飼育環境の整備、鋭利物・危険物の除去、適切な取り扱い技術、他の動物との接触時の監視、温度管理、落下防止策が含まれる。

予後

陰茎脱出の予後: 早期治療で多くは良好。定期モニタリングで管理可能。

関連する薬品

💊 エンロフロキサシン 💊 メロキシカム 💊 デスロレリン

※ 薬品名をクリックすると詳細な投与量・副作用情報を確認できます

生殖器の他の疾患(インコ)

インコの全疾患を見る →

VetDictでインコの鑑別診断を行う

症状チェッカーを使う

関連する疾患

卵塞 (共通2症状) 総排泄腔脱 (共通2症状) 総排泄腔炎 (共通2症状) 生殖器感染症(卵管炎) (共通2症状) 総排泄腔乳頭腫症(インコ) (共通2症状) 生殖器脱出 (共通2症状) 卵管閉塞 (共通2症状) 総排泄腔結石 (共通2症状)
📋 インコの疾患一覧を見る →
※ 本ページの情報は獣医学的参考資料であり、診断・治療の代替ではありません。実際の診療は必ず獣医師にご相談ください。
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。