鼓室胞感染
概要
鼓室胞の深部感染で、重度の前庭症状と顔面神経麻痺を引き起こします。
主な症状
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臨床徴候
チンチラにおける鼓室胞感染の臨床徴候は感染部位と病原体特性により多様だが、共通所見として発熱・元気消失・食欲不振・体重減少が認められる。局所感染では発赤・腫脹・疼痛・排膿を、全身感染では脱水・敗血症・多臓器不全に進展しうる。幼若・高齢・免疫抑制状態は重症化リスクが高く、早期介入が予後改善に直結する。
原因
チンチラにおける鼓室胞感染の原因: 鼓室胞の深部感染で、重度の前庭症状と顔面神経麻痺を引き起こします。
病態生理
鼓室胞感染はチンチラにおける神経疾患である。炎症、変性、圧迫、または血管障害による中枢・末梢神経系の損傷を伴う。解剖学的位置に応じて運動機能、感覚処理、自律神経調節、認知状態に影響を及ぼす。脱髄、軸索変性、ニューロン喪失は不可逆的な場合がある。浮腫や腫瘤性病変による頭蓋内圧亢進は脳幹ヘルニアを引き起こしうる。
診断
頭部X線(lateral・DV・開口位)で鼓室胞の骨肥厚・液体貯留・骨溶解を確認。CT検査で鼓室胞内の詳細構造と周囲組織への波及を評価。耳鏡検査で外耳道の分泌物・鼓膜の状態を確認。チンチラの鼓室胞感染は斜頸・眼振・旋回運動の原因となる(内耳への波及)。分泌物の細菌培養・感受性試験で起因菌を同定。CBC(白血球増多)で感染の重症度を評価。E. cuniculiとの鑑別にPCR・血清抗体検査を実施
治療
重要:チンチラは大きく突出した鼓室胞を持ち、鼓室胞疾患はこの種で重要な臨床的存在。CTスキャン(鼓室胞評価にはX線より優れる)で鼓室胞の巻き込み範囲、骨融解、胞内軟部組織陰影を評価。長期全身性抗菌薬:エンロフロキサシン 5-15 mg/kg PO/SC q12h × 最低4-8週間(Pseudomonasカバーが重要);またはトリメトプリム-スルファ 15-30 mg/kg PO q12h。中耳穿刺液または外科的に得たサンプルから培養(CTガイド下鼓室穿刺)。経口ペニシリン系/エリスロマイシン/リンコマイシンは絶対に使用しない(致死的腸内細菌叢異常)。外科的鼓室胞骨切り術:慢性/難治例に適応 — イソフルラン麻酔下腹側アプローチ;胞内感染物質を掻爬。前庭管理:前庭機能障害による動揺病/悪心にメクリジン 2-4 mg/kg PO q12h;頭部傾斜で正常な摂食ができない場合は補助給餌。疼痛管理:メロキシカム 0.2-0.5 mg/kg PO/SC q24h;急性期はブプレノルフィン 0.01-0.05 mg/kg SC q8-12h。支持療法:脱水時はSC輸液(LRS 20-40 mL SC q12h);クリティカルケアシリンジ給餌;運動失調による負傷防止のためケージ床にクッションを敷く。頭部傾斜は永続する場合がある(残存前庭機能障害)がチンチラはよく代償する。顔面神経麻痺(同側の耳垂れ、口唇非対称)を監視。参考:Quesenberry & Carpenter 4th ed; Capello & Lennox, Clinical Radiology of Exotic Companion Mammals.
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予防
鼓室胞感染の予防: 適切な衛生管理。創傷の早期処置。免疫力維持のための適切な栄養。ストレス軽減。
予後
鼓室胞感染の予後: 適切な抗菌薬療法で多くが治癒可能。慢性・深在性感染は長期治療が必要。敗血症は予後要注意。
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