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猫 (Cat) 内分泌 中等度

甲状腺機能亢進症

Hyperthyroidism / 甲状腺機能亢進症

概要

甲状腺ホルモンの過剰産生で、高齢猫で最も多い内分泌疾患です。

主な症状

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臨床徴候

猫における甲状腺機能亢進症の臨床徴候はホルモン異常または代謝障害の種類により特異的パターンを示す。糖尿病: 多飲多尿・多食・体重減少。甲状腺機能亢進: 体重減少・多食・多動・心拍数上昇。クッシング症候群: 腹部膨満・脱毛・多飲多尿・薄い皮膚。アジソン病: 元気消失・嘔吐・下痢・電解質異常。低血糖: 振戦・痙攣・意識低下。早期は無症候性に進行することが多く、定期的内分泌スクリーニングが早期発見の鍵。

原因

正確な原因はまだ十分に解明されていませんが、年齢、食事内容、飼育環境などの複雑な要素が関係していると考えられています。加齢に伴う甲状腺組織の変性が主な要因であり、10歳を超える猫で発症が著しく増加します。特に中年以降の猫に多く見られます。

病態生理

猫の甲状腺機能亢進症は、主に甲状腺の良性腺腫様過形成(腺腫)により、サイロキシン(T4)およびトリヨードサイロニン(T3)が過剰に産生・分泌されることで発症します。過剰な甲状腺ホルモンにより全身の代謝率が亢進し、心拍出量の増加、全身性高血圧、多食にもかかわらず体重減少、腎臓・肝臓・消化管などの多臓器障害が引き起こされます。まれに(1〜3%)甲状腺癌が原因となることがあります。

診断

猫の甲状腺機能亢進症の診断は血清T4測定で行う。総T4(TT4): >4.0 μg/dL で確定的。正常上限の正常高値(2.5-4.0)は初期例で認められる。遊離T4(fT4): TT4正常高値で臨床的に疑わしい場合の追加検査。非甲状腺疾患(NTI)でTT4が偽低値化するため併存疾患の評価が重要。頸部触診: 甲状腺結節の触知(70-80%で可能)。甲状腺シンチグラフィ(99mTcO4): 両側性/片側性/異所性の評価、甲状腺癌の鑑別。血液生化学: ALT/ALP軽度上昇(98%)、BUN/Cre(CKD合併の評価 — T4治療開始後にmasked CKDが顕在化)。心エコー: 心肥大、収縮能亢進。血圧: 高血圧(25%)。尿検査: 尿比重低下、蛋白尿。8歳以上の猫で最も一般的な内分泌疾患。

治療

猫甲状腺機能亢進症(最も一般的な高齢猫内分泌疾患、10歳以上で約10%)の治療: ① **I-131放射性ヨウ素治療**(gold standard、95%治癒、副作用最少、ACVIM推奨)— 可能なら第一選択。② メチマゾール 1.25-2.5 mg PO q12h(経皮ゲル製剤も可)— 用量はT4で4週毎調整。③ ヒルズy/d低ヨウ素食(カーボイメージング不能のためI-131との比較で代替)。④ 甲状腺摘出(経験ある外科医、副甲状腺温存)。腎機能のマスキング効果を考慮し、治療前/後にSDMAとUSGをモニタ(IRIS分類)。心筋症併発時はアテノロール 6.25-12.5 mg PO q12-24h(HR<200目標)。ACVIM/AAFP/ISFM 2016 Guidelines for Hyperthyroidism準拠。

予防

甲状腺機能亢進症の確実な予防法は確立されていません。予防的管理策として:1)中年以降の猫(特に7歳以上)に対して年2回の定期健康診断が推奨されます。2)定期的な血液検査によって、症状がなくても早期に疾患を発見できます。3)甲状腺ホルモン値が境界値の場合は、定期的な監視が重要です。4)症状が軽微でも病気が進行している可能性があるため、総合的な評価が必要です。

予後

適切な治療と管理により、多くの猫は症状をコントロールし、良好な生活の質を長期間保つことができます。早期発見が極めて重要で、症状が軽微であっても病気が進行している可能性があります。予後は治療開始時点での猫の全体的な健康状態(特に心機能)に大きく左右されます。継続的な治療と定期的な血液検査による監視が必要です。多くの猫は診断後数年から10年以上生存します。

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