ヘルペスウイルス感染症
概要
カエル類に報告されるヘルペスウイルス感染で腎臓・皮膚疾患を引き起こす。
主な症状
原因
両生類におけるヘルペスウイルス感染の原因: 両生類におけるウイルス性の多臓器/全身疾患。ヘルペスウイルス感染は適切な診断と治療管理が重要である。早期発見と適切な介入が予後改善の鍵となる。
病態生理
ヘルペスウイルス感染は両生類におけるウイルス感染症である。ウイルスは特定の受容体を介して宿主細胞に侵入し、細胞内機構を利用して複製する。直接的な細胞変性効果(細胞溶解、アポトーシス、標的臓器の組織壊死)を引き起こす。自然免疫(インターフェロン、NK細胞)および適応免疫(抗体、細胞性免疫)の宿主免疫応答が免疫病理に寄与することがある。ウイルス血症により病原体が複数の臓器系に播種される可能性があり、免疫抑制により二次的な細菌・真菌感染のリスクが高まる。
治療
両生類ヘルペスウイルス感染症の治療 — 既知の両生類ヘルペスウイルス: Lucké腫瘍ヘルペスウイルス(Rana pipiens腎腺癌), Ranid Herpesvirus 1 (RaHV1), RaHV2(Bohle関連)、Testudinid関連。【1】診断: PCR(DNAポリメラーゼまたはターミナーゼ遺伝子)、組織病理(Cowdry A型核内封入体)、電子顕微鏡(エンベロープ付き正二十面体ビリオン 約200 nm)。ヘルペスウイルスは【生涯潜伏感染】成立 — PCR陽性個体は終生キャリア。【2】抗ウイルス療法(両生類でのエビデンス限定的): アシクロビル 80 mg/kg PO q8h × 14-21日(ヘルペスDNAポリメラーゼに活性 — 第一選択); または ファムシクロビル 30-40 mg/kg PO q72h(爬虫類由来用量、両生類薬物動態不明); または バラシクロビル 60 mg/kg PO q24h。腎機能モニタリング — アシクロビルは高用量で腎毒性。【3】低温療法: 種POTZの下限(温帯種では18-22℃)に10-14日間低下 — ヘルペスウイルス複製を抑制。【4】支持療法: 両生類リンゲル液浴 q12h、皮膚潰瘍にシルバースルファジアジン1%クリーム、ブトルファノール 0.4 mg/kg SC q12h 鎮痛、Emeraid Carnivore 体重の2-3% q48h 強制給餌、POTZに応じた湿度維持。【5】二次細菌感染予防: セフタジジム 20 mg/kg ICe/IM q72h × 10-14日。【6】ストレス軽減: ヘルペスウイルス再活性化はストレス誘発 — 取扱い最小化、水質最適化、群飼管理、栄養改善。【7】隔離: 厳格分離; 専用器具; 70%エタノールまたは次亜塩素酸(1:10)で消毒(ヘルペスウイルスはエンベロープ型で感受性)。注: Lucké腫瘍ヘルペスウイルスは腎腺癌を引き起こす — 単発腫瘤の外科切除は可能だがしばしば多発性。参考文献: McKinnell 1965, Pasmans 2013, Davison 2009。
予防
予防: 新規個体は90日以上隔離+PCRスクリーニング; 既知陽性(キャリア)個体は終生分離; ストレス軽減(最適POTZ、水質、栄養、取扱い最小化); エンベロープ型ウイルスに有効な消毒剤で飼育容器間消毒; 種間混合回避。ワクチンなし。
予後
予後: 慎重。生涯潜伏感染と間欠的ウイルス排出により罹患個体は終生キャリアとなる。Lucké腫瘍ヘルペスウイルスは進行性腎不全を引き起こす — 早期診断+外科介入で予後中等度、進行例で不良。活動性疾患の予後は病変臓器と支持療法反応に依存。
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