ツボカビ症(Bd)
概要
ツボカビ菌(Bd)による感染で皮膚の電解質輸送が障害され、世界的な両生類減少の原因となっている致死的疾患。
主な症状
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臨床徴候
両生類におけるツボカビ症の臨床徴候は感染部位と病原体特性により多様だが、共通所見として発熱・元気消失・食欲不振・体重減少が認められる。局所感染では発赤・腫脹・疼痛・排膿を、全身感染では脱水・敗血症・多臓器不全に進展しうる。 皮膚病変(円形脱毛・落屑・痂皮)、慢性鼻汁、または深在性真菌症では咳・体重減少・神経症状が見られる。幼若・高齢・免疫抑制状態は重症化リスクが高く、早期介入が予後改善に直結する。
原因
両生類におけるツボカビ症の原因: 両生類における真菌性の皮膚疾患。ツボカビ症は適切な診断と治療管理が重要である。早期発見と適切な介入が予後改善の鍵となる。
病態生理
ツボカビ症は両生類における真菌感染症である。真菌は胞子吸入、直接接種、または粘膜コロニー形成を通じて感染を確立する。菌糸または酵母形態が酵素分解と機械的圧力により組織に侵入し、肉芽腫性炎症反応を惹起する。免疫不全個体は特に感受性が高い。感染は局所にとどまるか、血行性に遠隔臓器へ播種される可能性がある。慢性感染は線維化、組織リモデリング、進行性臓器機能障害を引き起こしうる。
診断
qPCR(皮膚スワブ)が標準診断法(鼓膜・腹部・大腿内側・指間部を綿棒で30回擦過)。皮膚生検の組織学検査でPAS染色陽性の遊走子嚢を確認。死亡例では指趾の脱色部位を採取。Bd-DNA濃度(zoospore equivalents, ZSE)100以上で症候性感染と判定。幼生では口器の組織学検査が有用。Bsalとの鑑別にはqPCRで両者を同時検査する。
治療
ツボカビ症(Bd)治療プロトコル(両生類)。ゴールドスタンダード: イトラコナゾール0.0025%(25mg/L)浴5分/日×11日連続(Pessier 2008)。10mg/mL原液1mLを脱塩素水400mLに希釈、カエルが浸る浅い水深、ストレス最小化。従来の0.01%(100mg/L)はより有効だが肝毒性と幼生・若齢個体・Atelopus属で致死——繊細な種には禁忌。代替プロトコル: テルビナフィンHCl 0.01%(100mg/L)浴5分/日×5日(Bowerman 2010—肝毒性低い)、ボリコナゾール12.5μg/mL噴霧q24h×7日(Martel 2011)。熱療法: 飼育環境を30-32℃で10日間維持(Woodhams 2003)——温度耐性無尾類には単独療法として有効、冷涼を好むサンショウウオ類には禁忌。クロラムフェニコール20mg/L連続浴×14-28日(Young 2012)——有効だが公衆衛生上の懸念あり。支持療法: 浅い両生類リンゲル液浴(NaCl 6.6g、KCl 0.15g、CaCl₂ 0.15g、NaHCO₃ 0.2g/L)で電解質異常補正、脱水補正、皮膚からのNa+喪失による心不整脈リスク低減。重度の昏迷時は腹腔内/IV電解質ボーラス10-25mL/kg。投薬時以外は接触ゼロ、ストレス最小化。清潔でバイオセキュアな飼育環境(毎日100%水交換、接触面をVirkon S 1%またはクロルヘキシジン2%で消毒)。診断確定と治療後の治癒判定はqPCRスキンスワブ——治療後3回連続陰性で除菌確認。接触・動物由来感染症対策: ニトリル手袋着用(個体間で交換)、Virkon 1%フットバス、全新規個体は最低60日隔離して事前Bd PCR陰性確認。
予防
ツボカビ症の予防には適切な環境湿度・温度の維持、良好な換気、過密の回避、定期的な清掃・消毒、罹患個体の隔離、適切な栄養による免疫機能の維持が含まれる。
予後
ツボカビ症(Bd)の予後: 多くは治療に良好に反応。
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