臓器脱(胃・腸)
概要
胃・腸の総排泄腔からの脱出。
主な症状
※ 症状をクリックすると、その症状を示すヘビの他の疾患を確認できます
臨床徴候
ヘビにおける臓器脱(胃・腸)の臨床徴候は消化管病変の部位と病態により異なる。上部消化管: 嘔吐・吐血・食欲不振。小腸: 下痢(小腸性: 量多・回数少・体重減少を伴う)・嘔吐・腹痛。大腸: 下痢(大腸性: 量少・回数多・粘液・血便・テネスムス)。急性腹症: 強い腹痛・嘔吐・ショック徴候・腹部触診で腫瘤や緊張感(GDV・腸捻転・腸閉塞)は緊急評価が必要。
原因
ヘビにおける臓器脱(胃・腸)の原因: 胃・腸の総排泄腔からの脱出。
病態生理
臓器脱(胃・腸)はヘビにおける外傷性・機械的疾患である。罹患組織の構造的耐性を超える外部機械的力により組織損傷が生じる。損傷は出血、浮腫、疼痛を伴う急性炎症カスケードを惹起する。重症度に応じて、血管供給の途絶による虚血、環境微生物による汚染、進行性の組織壊死が生じうる。治癒過程は止血、炎症、増殖、リモデリングの各段階を経る。
診断
総排泄腔からの臓器脱出を視診で確認し、脱出臓器の同定(胃・小腸・大腸・卵管のプローブ挿入鑑別)。脱出組織の生存性(色調・浮腫・壊死・乾燥)を評価。ヘビは横隔膜がなく腹腔臓器の固定が緩いため臓器脱が発生しやすい。X線で腹腔内の残存臓器の位置・異物を確認。尾腹側静脈からCBC・血液生化学(尿酸・電解質)で全身状態を評価。原因検索(寄生虫・腸閉塞・産卵異常・テネスムス)を実施。POTZ管理下での処置と脱出組織の湿潤維持が必須
治療
ヘビにおける臓器脱(胃・腸)の治療は安定化、疼痛管理、創傷ケアを優先する。生命を脅かす損傷を最初に評価・対処する(気道、呼吸、循環)。種に適した鎮痛薬(NSAIDs、オピオイド、局所麻酔薬)による鎮痛が不可欠である。創傷を洗浄・デブリードマンし、一次閉鎖、二次治癒、再建手術を適宜行う。汚染創には広域抗菌薬を使用する。骨折には副子固定または外科的固定を行う。遅発性合併症をモニタリングする。
予防
臓器脱(胃・腸)の予防には安全で種に適した飼育環境の整備、鋭利物・危険物の除去、適切な取り扱い技術、他の動物との接触時の監視、温度管理、落下防止策が含まれる。
予後
臓器脱(胃・腸)の予後: 急性は多くが良好。
消化器の他の疾患(ヘビ)
VetDictでヘビの鑑別診断を行う
症状チェッカーを使う関連する疾患
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。