慢性濾胞停滞
概要
排卵前卵胞の慢性停滞。
主な症状
原因
ヘビにおける慢性濾胞停滞の原因: 排卵前卵胞の慢性停滞。
病態生理
慢性濾胞停滞はヘビにおける消化器疾患である。粘膜の完全性、運動性、分泌機能、またはマイクロバイオームバランスの障害を伴う。炎症により上皮バリアが損傷し、吸収不良、体液喪失、細菌トランスロケーションの可能性がある。運動障害(低運動性/うっ滞または亢進)により通過時間と消化効率が変化する。後腸発酵動物では盲腸/結腸フローラの破壊が致死的ディスバイオーシスと腸管毒素症を引き起こしうる。
治療
【診断】触診で体腔中央〜後方に大型腫瘤確認、慢性化で硬結性。超音波で慢性化した卵胞群(嚢胞性変性、内部エコー上昇、出血性嚢胞)と腹水確認。X線で卵殻なし(卵停滞除外)、卵胞の石灰化所見。CBC・生化学で慢性化所見(低カルシウム、低アルブミン、白血球上昇、SGOT/AST上昇)、コレステロール持続上昇。体腔鏡で卵胞性質と癒着評価(出血性卵胞・腹膜炎合併確認)。【治療】内科的管理は慢性例では成功率5%以下: カルシウムグルコン酸100 mg/kg SC/ICe q24h、ビタミンD3 1000 IU/kg IM、カルシトニン50 IU/kg SC(カルシウム正常化後)。症状改善が48-72時間で認められない場合は外科介入を急ぐ。【外科適応】卵巣卵管摘出術(OE)が第一選択。慢性食欲不振6週以上・体重減少>10%・体腔膨大進行・腹水・内科治療無効例で適応。腹側開創術(大型ヘビ、適切な肋骨間開創)または腹側内視鏡下OE(小型)。出血性卵胞では血管結紮を慎重に、Hemoclip併用推奨。麻酔: アルファキサロン10-15 mg/kg IM/IV、イソフルラン維持、IPPV必須、術中加温28-30℃、ドップラーで心拍モニター、術中・術後酸素飽和度測定。術前カルシウム/タンパク補正(24-48時間)、術後10-14日入院、抗菌薬(セフタジジム20 mg/kg IM q72h × 7-10日)、鎮痛(メロキシカム0.2 mg/kg PO/SC q24-48h、トラマドール5-10 mg/kg PO q48-72h × 5-7日)。【支持療法】POTZ維持、SC輸液、強制給餌は術後14日以降から段階的に。【再発予防】OE後は再発なし。未手術例: 適切な光周期、温度勾配、UVB、雄分離、適切な栄養。【参考文献】Mader DR. Reptile Medicine and Surgery 3rd ed (2019); Stahl SJ. Vet Clin North Am Exot Anim Pract (2002); DeNardo D in Mader (2019); Funk RS. Vet Clin North Am Exot Anim Pract - snake reproduction; Carpenter JW. Exotic Animal Formulary 6th ed (2022); Lock BA. J Herp Med Surg - reptile reproductive surgery.
予防
慢性濾胞停滞の予防: 食事管理。異物誤食予防。
予後
慢性濾胞停滞の予後: 急性は多くが良好。
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