上部呼吸器感染症
概要
不適切な温度管理に関連する鼻腔・声門の細菌・ウイルス感染症です。
主な症状
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臨床徴候
ヘビにおける呼吸器感染症の臨床徴候は気道閉塞・換気障害の部位により異なる。上気道: いびき・吸気性ストライダー・運動不耐性・吸気性チアノーゼ。気管: 短く乾性の発作的咳(gander-honk)・ストライダー(気管虚脱)。下気道: 慢性咳・呼気性呼吸困難・喘鳴・換気不全(喘息・COPD様病態)。突発的悪化はストレス・運動・気温変化で誘発される。
原因
ヘビの呼吸器感染症はグラム陰性菌(Pseudomonas・Aeromonas・Klebsiella)やマイコプラズマ(リクガメの上部気道病)が主因だが、ウイルス・真菌も原因となる。適正温度域(POTZ)を下回る飼育、低湿度・乾燥、過密、栄養不良(ビタミンA欠乏)が発症を助長する。
病態生理
上部呼吸器感染症は不適切な環境温度や飼育ストレスによる免疫低下を背景に、細菌(Pseudomonas、Aeromonas等)やウイルスが鼻腔・上気道粘膜に感染して発症する。粘膜の炎症・滲出により鼻汁・開口呼吸・喘鳴を呈し、適切な環境温度(POTZ)の回復が治療・回復の鍵となる。複合感染が多い。
診断
開口呼吸・頭部挙上・粘液性鼻汁・wheezing音・口腔内泡沫状分泌物が臨床的に示唆。ヘビは単肺構造(右肺が機能肺)のため気管洗浄は右肺にカテーテル挿入し少量の滅菌生食で実施。洗浄液の細胞診(ヘテロフィル増多・細菌体)+培養・感受性試験。X線で肺野混濁・液体貯留を評価。PCR(パラミクソウイルス・ニドウイルス等)。尾腹側静脈採血でCBC(ヘテロフィル増多→細菌性、リンパ球減少→ウイルス性示唆)。飼育環境歴(POTZ逸脱・低湿度が誘因)の聴取必須。
治療
【ヘビにおける上部呼吸器感染症】 上部呼吸器感染症は培養感受性試験を診療指針とし、empiricalにはエンロフロキサシン 5-15 mg/kg PO/IM q12-24h またはアモキシシリン・クラブラン酸 12.5-25 mg/kg PO q12h(小型哺乳類除く)を開始。 膿瘍形成例は外科的切開・排膿・洗浄(生食または0.05%クロルヘキシジン)が抗菌薬単独より治癒率高い。 発熱・全身症状時は炎症マーカー(SAA、CRP)と血液培養。 再発リスクの高い症例ではバイオフィルム形成菌(Pseudomonas, Staphylococcus pseudintermedius MRSP)を疑い、長期抗菌薬を6-8週継続。 支持療法(爬虫類): 種別POTZ(preferred optimum temperature zone)維持が免疫機能回復の前提条件。輸液 25-30 mL/kg/日 SC/ICe(ノルモソルR、温熱)、強制給餌(Carnivore Care 等)、メロキシカム 0.2-0.5 mg/kg PO/IM q24-48h(NSAID持続投与時は腎機能をモニタ)。 【鑑別と経過観察】類似症候を呈する疾患の除外と、治療4-8週後の再評価が予後改善の鍵。重症度・併発症によってはヘビの専門医紹介を考慮する。
予防
ヘビにおける呼吸器感染症の予防は環境因子の管理が中心。タバコの煙・室内塵・化学香料・粉塵への曝露回避。気管虚脱: 適正体重維持、ハーネス使用(首輪回避)、誘発因子(興奮・暑熱・脱水)の管理。喘息(猫): アレルゲン特定と回避、室内環境改善。
予後
適切な抗菌薬療法と感染源制御で予後良好。慢性または深部感染は長期管理が必要。免疫不全の個体はより予後要注意。
関連する薬品
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