腺胃拡張症(PDD)/ボルナウイルス感染症
概要
鳥ボルナウイルスによる消化管・中枢神経系の神経節炎。消化管停滞と神経症状を引き起こす。
主な症状
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原因
オウムの前胃拡張症(PDD)は鳥ボルナウイルス(avian bornavirus / Parrot bornavirus, PaBV)感染が主因で、糞・尿を介した水平感染が想定される。コニュアやヨウム・ボウシインコなど大型インコに多い。
病態生理
腺胃拡張症(PDD)/ボルナウイルス感染症は鳥ボルナウイルス(ABV)感染による。ウイルスは消化管および中枢・末梢神経系の神経節に親和性を持ち、リンパ形質細胞性の神経節炎(特に前胃・筋胃の自律神経叢)を引き起こす。腸管平滑筋の運動障害により前胃拡張・消化管うっ滞・削痩を生じ、中枢神経の病変では運動失調・振戦・痙攣など進行性の神経症状を呈する。
治療
【オウムにおける腺胃拡張症(PDD)/ボルナウイルス感染症】 腺胃拡張症(PDD)/ボルナウイルス感染症は培養感受性試験を診療指針とし、empiricalにはエンロフロキサシン 5-15 mg/kg PO/IM q12-24h またはアモキシシリン・クラブラン酸 12.5-25 mg/kg PO q12h(小型哺乳類除く)を開始。 膿瘍形成例は外科的切開・排膿・洗浄(生食または0.05%クロルヘキシジン)が抗菌薬単独より治癒率高い。 発熱・全身症状時は炎症マーカー(SAA、CRP)と血液培養。 再発リスクの高い症例ではバイオフィルム形成菌(Pseudomonas, Staphylococcus pseudintermedius MRSP)を疑い、長期抗菌薬を6-8週継続。 支持療法(鳥類): 保温28-30℃(重症は30-32℃)、皮下/骨内輸液 50-100 mL/kg/日 (温乳酸リンゲルまたはノルモソルR)、強制給餌(Emeraid Omnivore/Carnivoreなど 20-30 mL/kg q4-6h)、酸素分圧40%以下を維持しつつ呼吸補助。 【鑑別と経過観察】類似症候を呈する疾患の除外と、治療4-8週後の再評価が予後改善の鍵。重症度・併発症によってはオウムの専門医紹介を考慮する。 [ECVN:Block] 【補助療法オプション — Equine & Canine Vet Nutrition (caninevet.jp)】 • CPパウダー (プレバイオ+プロバイオ+サイリウム): 腸内細菌叢正常化・腸管バリア強化・腸腎連関サポート。サイリウム(水溶性繊維)が腸管運動を促進+プレバイオティクスが有益菌(Lactobacillus/Bifidobacterium)の増殖を支援。IBD、慢性腸症、抗菌薬関連dysbiosis、CKDの尿毒素軽減(インドキシル硫酸低減)に ※CPパウダー: 完全腸閉塞は禁忌
予防
オウムにおける前胃拡張症の予防は栄養管理と環境管理が中心。バランスの取れた高品質食、急激な食事変更回避、食物アレルゲンの特定と除去食。草食動物(ウサギ・モルモット・チンチラ・デグー): 高繊維チモシー乾草を給与量の80%以上、ペレット過剰摂取回避、新鮮野菜の段階的導入。異物誤食予防(玩具・包装材・植物の管理)。定期的駆虫、ストレス管理、適切なワクチネーション。
予後
ウイルスの種類と宿主免疫により異なる。軽症感染は支持療法で自然治癒することが多い。重症全身性ウイルス感染は予後要注意〜不良。
関連する薬品
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