卵巣腫瘍
概要
卵巣の腫瘍で腹部膨満とホルモン異常を引き起こす。
主な症状
原因
インコにおける卵巣腫瘍の原因: 卵巣の腫瘍で腹部膨満とホルモン異常を引き起こす。
病態生理
卵巣腫瘍はインコにおける腫瘍性疾患である。癌遺伝子、腫瘍抑制遺伝子、DNA修復機構における遺伝子変異の蓄積により腫瘍性形質転換が生じる。制御不能な細胞増殖により腫瘍が形成され、局所組織への浸潤・破壊の可能性がある。悪性腫瘍はリンパ行性または血行性に転移しうる。高カルシウム血症、悪液質、免疫調節障害などの腫瘍随伴症候群が原発腫瘍に伴い、罹患率に寄与することがある。
治療
セキセイインコの卵巣腫瘍 — 腺癌、顆粒膜細胞腫、未分化胚細胞腫、嚢胞腺癌を含む。繁殖活動中の雌に多い。【臨床像】: 腹部膨満(体腔液貯留または腫瘤効果)、ろう膜色の変化(テストステロン産生腫瘍では雌の褐色→青/白=雄性化、非周期雌での持続褐色)、体重減少、気嚢圧迫による呼吸困難。【診断】: X線(尾腹側体腔の軟部組織陰影、消化管の変位)、超音波(腫瘤性状、液貯留)、液貯留時の体腔液細胞診、血清エストロゲン/テストステロン値、CBC/生化学。CT理想的だがセキセイインコでは稀。【内科的管理】: GnRHアゴニスト — デスロレリン(スプレソリン)4.7 mgインプラントSC肩甲骨間 — 生殖腺ホルモン産生を抑制、ホルモン依存性腫瘍(顆粒膜細胞腫、莢膜細胞腫)の進行を遅延しうる。効果発現1-2週、持続2-6ヶ月。リュープロレリン0.4-0.8 mg/kg IM q14-28日を代替に。【外科】: 卵巣摘出/卵管子宮摘出が根治的だが、セキセイインコ(30-40g)では体格が小さく卵巣血管が大動脈・大静脈に近接するため麻酔・手術リスクが極めて高い。経験豊富な鳥類外科医がマイクロサージャリー下でのみ実施。ラジオサージャリーまたはヘモクリップでの厳密な止血が必須。【緩和ケア】: メロキシカム0.5-1 mg/kg PO q12-24hで疼痛・抗炎症。症候性液貯留にはセロモセンテシス(18-22Gニードル、超音波ガイド、肝臓/気嚢を回避)— q1-4週の反復排液がしばしば必要。食欲不振時はそ嚢チューブ給餌。加温皮下輸液50-100 mL/kg/日。【モニタリング】: X線/超音波q4-8週、体重週1回、ろう膜色変化、貧血・低蛋白のPCV/TP。【予後】: 悪性腫瘍は要注意〜不良。顆粒膜細胞腫はデスロレリンに反応し延命しうる。参考: Reavill DR (2004) Vet Clin North Am Exot Anim Pract; Bowles HL (2006) J Avian Med Surg.
予防
卵巣腫瘍の予防は限定的であるが、ホルモン依存性腫瘍軽減のための避妊・去勢手術、既知の発癌物質の回避、早期発見のための定期健診、適正体型の維持、該当する場合は遺伝的素因軽減のための責任ある繁殖が含まれる。
予後
卵巣腫瘍の予後: 腫瘍の種類と病期による。早期発見で改善。
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