脂肪腫
概要
胸骨や腹部に好発する良性脂肪腫瘍で、肥満や高脂肪食と関連する。
主な症状
原因
インコにおける脂肪腫の原因: 胸骨や腹部に好発する良性脂肪腫瘍で、肥満や高脂肪食と関連する。
病態生理
脂肪腫はインコにおける腫瘍性疾患である。癌遺伝子、腫瘍抑制遺伝子、DNA修復機構における遺伝子変異の蓄積により腫瘍性形質転換が生じる。制御不能な細胞増殖により腫瘍が形成され、局所組織への浸潤・破壊の可能性がある。悪性腫瘍はリンパ行性または血行性に転移しうる。高カルシウム血症、悪液質、免疫調節障害などの腫瘍随伴症候群が原発腫瘍に伴い、罹患率に寄与することがある。
治療
脂肪腫はセキセイインコで最も多い腫瘍 — 肥満と高脂肪シード食(特にヒマワリ種子主体)と強く関連。腹側胸骨、腹部、尾脂腺(プリーン腺)部に好発。【診断】: 細胞診(FNA)— 透明な油状液体と脂肪細胞で良性脂肪腫を確認。急速増大・硬い硬度・組織浸潤がある場合は常に生検で脂肪肉腫(悪性)を鑑別。黄色腫は肉眼的に類似(黄色腫瘤)だがコレステロール沈着で脂肪組織ではない。【保存的管理(小型・非閉塞性脂肪腫の第一選択)】: 食餌転換(最重要) — ヒマワリ/サフラワー/麻の実を全て除去、低脂肪ペレット(Harrison's Adult Lifetime, Roudybush)に移行。脂肪含有量<10%を目標。新鮮野菜(濃緑葉野菜、ニンジン、ピーマン)を追加。体重減量プログラム: 4-8週で5-10%減量を目標に週1回計量。L-カルニチン250-500 mg/kg PO q24h — 脂肪酸酸化を促進。甲状腺機能低下症が疑われる場合レボチロキシン0.02 mg/kg PO q12h(甲状腺腫+脂肪腫のセキセイインコ — よくある合併)。運動: より大きなケージ、監視下の飛行時間、フォレージング玩具。食餌変更のみで多くの脂肪腫が著明に退縮する。【外科的切除】: 脂肪腫が飛行・歩行・止まり・採食を障害する場合、または>1 cmで増大傾向の場合に適応。イソフルラン麻酔下で切除 — 慎重な止血(セキセイインコの脂肪腫は血管豊富)。全切除検体の病理組織検査で脂肪肉腫を除外。術後: メロキシカム0.5-1 mg/kg PO q12-24h 3-5日間、創部モニタリング。【モニタリング】: 体重と脂肪腫サイズをq4週。血中脂質パネル(コレステロール、中性脂肪)をベースラインとq3ヶ月。食餌改善を維持しなければ再発しやすい。参考: Reavill DR & Dorrestein GM (2010) Vet Clin North Am Exot Anim Pract; Nemetz L (2002) Proc AAV.
予防
脂肪腫の予防は限定的であるが、ホルモン依存性腫瘍軽減のための避妊・去勢手術、既知の発癌物質の回避、早期発見のための定期健診、適正体型の維持、該当する場合は遺伝的素因軽減のための責任ある繁殖が含まれる。
予後
脂肪腫の予後: 早期治療で多くは良好。定期モニタリングで管理可能。
関連する薬品
※ 薬品辞書で詳細な投与量・副作用情報を確認できます
腫瘍の他の疾患(インコ)
VetDictでインコの鑑別診断を行う
症状チェッカーを使う関連する疾患
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。