上部呼吸器感染症
Upper Respiratory Infection (URI) / 上部呼吸器感染症
概要
低温環境に関連する鼻腔・上気道の細菌・ウイルス感染症です。
主な症状
食欲不振
無気力
鼻水
口を開けて呼吸
喘鳴
原因
皮膚糸状菌(Microsporum canis、Trichophyton mentagrophytes等)の感染が原因である。感染動物との直接接触、汚染環境中の関節胞子(アルスロスポア)への曝露が主要な感染経路である。幼若・高齢・免疫不全個体で感受性が高い。高温多湿環境、過密飼育、皮膚の微小外傷が発症を促進する。人獣共通感染症である。
病態生理
真菌感染の病態生理は真菌の組織侵入と宿主免疫応答の相互作用に基づく。真菌細胞壁成分(β-グルカン・マンナン)がパターン認識受容体を介して自然免疫を活��化する。糸状菌は菌糸伸長により組織を物理的に破壊し、プロテアーゼ分泌により細胞外マトリックスを分解する。宿主の防御には好中球とマクロファージによる貪食、Th1/Th17応答が中心的役割を果たす。免疫抑制状態では防御機構の破綻により日和見感染が成立する。
治療
酸素補充、ストレス/ハンドリングの最小化、原因の特定と治療。ネブライゼーション、気管支拡張薬、必要に応じた胸腔穿刺。重症例は入院管理。
予防
清潔で乾燥した飼育環境の維持が基本的予防策である。感染動物との直接接触の回避、汚染された環境の徹底的な消毒、過密飼育の回避が重要である。免疫抑制状態にある動物では特に注意が必要であり、長期ステロイド投与中は真菌感染のリスクが上昇する。新規導入動物の検疫と皮膚糸状菌培養検査の実施が集団発生の予防に有効である。
予後
適切な抗菌薬療法と感染源制御で予後良好。慢性または深部感染は長期管理が必要。免疫不全の個体はより予後要注意。
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※ 本ページの情報は獣医学的参考資料であり、診断・治療の代替ではありません。実際の診療は必ず獣医師にご相談ください。
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。
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