眼周囲膿瘍
概要
ビタミンA欠乏に関連する眼周囲または眼後方の膿瘍形成です。
主な症状
※ 症状をクリックすると、その症状を示すトカゲの他の疾患を確認できます
臨床徴候
トカゲにおける眼周囲膿瘍の臨床徴候は罹患部位(角膜・結膜・前房・水晶体・網膜)と病態により異なる。結膜炎: 結膜充血・分泌物・流涙・眼瞼痙攣。角膜潰瘍: 流涙・眼瞼痙攣・羞明・角膜混濁(蛍光染色陽性)。緑内障: 急性眼痛・角膜浮腫・散瞳・眼球膨大・視覚消失。白内障: 水晶体混濁による進行性視覚障害。網膜疾患: 夜盲先行の進行性視覚障害(PRA等)・急性視覚消失(網膜剥離)。
原因
トカゲにおける眼周囲膿瘍の原因: ビタミンA欠乏に関連する眼周囲または眼後方の膿瘍形成です。
病態生理
トカゲの膿は哺乳類と異なり乾酪性(チーズ様の固形)で、自然排膿しにくく被膜に包まれた腫瘤を形成する。皮下・耳道(リクガメの耳膿瘍)・眼鏡鱗下(ヘビ)など部位は多様で、放置すると深部組織・骨へ波及する。治療は外科的な被膜ごとの摘出・デブリードマンが基本で、抗菌薬単独では消退しにくい。
診断
眼周囲の視診で腫脹・突出・皮膚変色を確認。触診で硬い腫瘤(カゼイン様固形膿)を触知。スペクタクル(眼鏡鱗)を持つ種ではsubspectacular abscessとの鑑別が重要。FNA(穿刺吸引細胞診)で膿瘍内容物を評価。細菌培養・感受性試験で原因菌を同定。X線・CTで眼窩骨の骨溶解・眼窩内への進展を評価。眼科検査(眼底検査・眼圧測定)で眼球自体の障害を確認。CBC(ヘテロフィル増多→細菌感染)・血液生化学で全身状態を評価。口腔内感染からの波及も検索。
治療
トカゲにおける眼周囲膿瘍の治療には、可能であれば培養感受性試験に基づく標的抗菌薬療法が必要である。結果待ちの間は経験的広域抗菌薬を開始する。抗菌薬治療期間は感染の排除と耐性予防に十分な期間とする。膿瘍や壊死組織には外科的排膿またはデブリードマンが必要な場合がある。支持療法として輸液、鎮痛薬、抗炎症薬、栄養サポートを行う。
予防
眼周囲膿瘍の予防には適切な衛生管理・消毒、利用可能なワクチン接種、創傷の迅速な処置、ストレス軽減、適切な換気、感染動物の隔離が含まれる。
予後
眼周囲膿瘍の予後: 早期治療で多くは良好。定期モニタリングで管理可能。
感染症の他の疾患(トカゲ)
VetDictでトカゲの鑑別診断を行う
症状チェッカーを使う関連する疾患
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。