増殖性回腸炎(ウェットテイル)
Proliferative Ileitis (Wet Tail) / 増殖性回腸炎(ウェットテイル)
概要
Lawsonia intracellularis(偏性細胞内寄生菌)による重篤な下痢性疾患。離乳期〜若齢ハムスター(3〜8週齢)に好発。ストレス(輸送・環境変化・過密)が発症のトリガー。致死率が高い(50%以上)。「ウェットテイル」の名の由来となった疾患。
主な症状
appetite loss
dehydration
diarrhea
hunched posture
lethargy
weight loss
wet tail
原因
Lawsonia intracellularis。ストレス(離乳、輸送、環境変化、過密飼育)、不適切な食事変更、免疫未熟な若齢個体でリスク上昇。
病態生理
Lawsonia intracellularisが回腸上皮細胞に感染→腸上皮の増殖性過形成→吸収障害+分泌性下痢→重度脱水→電解質異常→循環不全。腸重積・直腸脱の合併もあり。重症例では敗血症→多臓器不全→死亡。
治療
緊急治療が必要。(1)積極的輸液療法(皮下/腹腔内、温めた乳酸リンゲル液)、(2)抗菌薬(エンロフロキサシン5〜10mg/kg BID、TMS 30mg/kg BID)、(3)保温(28〜30℃)、(4)強制給餌(脱水改善後)、(5)止痢薬は禁忌。治療開始が遅れると致死率急上昇。
予防
離乳・輸送時のストレス最小化。適切な飼育密度。清潔な飼育環境。急激な食事変更の回避。購入後1〜2週間は安静な環境で管理。
予後
慎重〜不良。治療しても致死率50%以上。早期治療(発症24時間以内)で予後改善。脱水が重度の場合・食欲完全廃絶の場合は予後不良。
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※ 本ページの情報は獣医学的参考資料であり、診断・治療の代替ではありません。実際の診療は必ず獣医師にご相談ください。
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。
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