パピローマ(乳頭腫)
概要
パピローマウイルスによる良性上皮腫瘍で、皮膚上に隆起した疣贅様の増殖として現れます。
主な症状
原因
ハムスターにおけるパピローマ(乳頭腫)の原因: パピローマウイルスによる良性上皮腫瘍で、皮膚上に隆起した疣贅様の増殖として現れます。
病態生理
パピローマ(乳頭腫)はハムスターにおけるウイルス感染症である。ウイルスは特定の受容体を介して宿主細胞に侵入し、細胞内機構を利用して複製する。直接的な細胞変性効果(細胞溶解、アポトーシス、標的臓器の組織壊死)を引き起こす。自然免疫(インターフェロン、NK細胞)および適応免疫(抗体、細胞性免疫)の宿主免疫応答が免疫病理に寄与することがある。ウイルス血症により病原体が複数の臓器系に播種される可能性があり、免疫抑制により二次的な細菌・真菌感染のリスクが高まる。
治療
ハムスターのパピローマ(HaPV: ハムスターパピローマウイルス)は有茎性または無茎性の疣贅様増殖として顔面・耳介・足部の皮膚に好発。【診断】臨床像は多くの場合特徴的; 切除生検+病理組織検査で良性扁平上皮乳頭腫 vs 扁平上皮癌(SCC)を確認。【経過観察】多くのパピローマは自己限定性で免疫応答の発達に伴い2-4ヶ月で自然退縮——小型(<5mm)・非潰瘍性・機能障害なしなら無治療で経過観察。【外科切除適応】大型(>10mm)、潰瘍化、出血、摂食/運動障害、または飼い主の美容的懸念。手技: イソフルラン麻酔(チャンバー導入3-4%、ノーズコーン維持1-2.5%)、2-3mmマージンで切除、有茎性なら基部結紮、5-0/6-0吸収糸で閉鎖または小創は二次治癒。小型患者では電気凝固/ラジオ波が止血に有用。凍結療法(液体窒素)は小型(<5mm)パピローマの代替——各10-15秒の凍結融解サイクル×2回。術後鎮痛: メロキシカム0.2mg/kg PO/SC q24h×3-5日、中等度疼痛にはブプレノルフィン0.05-0.1mg/kg SC q8-12h×24-48h。二次感染時のみ抗菌薬: アモキシシリン/クラブラン酸20mg/kg PO q12h×7日。【重要】病理でSCC(悪性転化——稀だが報告あり)の場合、1cmマージンで広範切除+病期分類(胸部X線・腹部超音波)。切除部位をq2-4週×3ヶ月再発モニタ。多発/再発は免疫抑制を示唆——併存疾患(クッシング、リンパ腫、慢性ストレス)を評価。参考文献: Barthold (1987), Harkness & Wagner (1995), Percy & Barthold (2007)。
予防
ハムスターパピローマウイルスに対するワクチンはない。感染個体と非感染個体の直接接触を最小化。清潔なケージ管理。ストレス軽減(十分な隠れ家、適温20-24℃、静かな環境)。バランスの取れた食事で免疫機能を支持。新規個体は2-4週間の検疫。
予後
良性パピローマの予後は良好——多くは自然退縮。完全切除で>95%治癒。SCCへの悪性転化(稀)は要注意。不完全切除後の再発はまれだが可能性あり。
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