← トップへ戻る
ハムスター (Hamster) 感染症 重度

サルモネラ症

Salmonellosis / サルモネラ症

概要

人獣共通のサルモネラ菌感染。

主な症状

※ 症状をクリックすると、その症状を示すハムスターの他の疾患を確認できます

臨床徴候

ハムスターにおけるサルモネラ症の臨床徴候は感染部位と病原体特性により多様だが、共通所見として発熱・元気消失・食欲不振・体重減少が認められる。局所感染では発赤・腫脹・疼痛・排膿を、全身感染では脱水・敗血症・多臓器不全に進展しうる。幼若・高齢・免疫抑制状態は重症化リスクが高く、早期介入が予後改善に直結する。

原因

ハムスターにおけるサルモネラ症の原因: 創傷汚染、経口摂取、吸入、日和見的過剰増殖による細菌コロニー形成。ストレス、免疫抑制、不衛生、過密飼育、併発疾患が素因となる。

病態生理

サルモネラは腸上皮に侵入して腸炎を起こし、リポ多糖(内毒素)と全身播種により菌血症・敗血症・多臓器障害を招く。保菌動物は無症状でも間欠的に排菌する。

診断

急性水様性~粘液性下痢・沈鬱・脱水・急死の臨床評価。糞便培養(SS寒天・XLD寒天等の選択培地)でSalmonella属を分離・同定。血液培養(敗血症の場合、採血量≤体重の1%)で菌血症を確認。PCR検査でSalmonella属特異的遺伝子(invA等)を検出。CBC で好中球増加(重症時は好中球減少)・脱水に伴うPCV上昇を確認。血液生化学で電解質異常・BUN上昇・低血糖を評価。人獣共通感染症のため飼育者への感染リスク説明が必須。抗菌薬感受性試験で多剤耐性パターンを確認

治療

ハムスターにおけるサルモネラ症の治療: ① 健常成獣の無症候性キャリアは抗菌薬を控え自然排菌待ち(抗菌薬は耐性化・キャリア化リスク)。② 重症臨床例(敗血症・下血・脱水)には培養感受性後の抗菌薬: エンロフロキサシン 10-20 mg/kg PO/IM q12-24h(鳥類)/ 5-10 mg/kg PO q12-24h(小型哺乳類) × 14-21日、または トリメトプリム・スルファ 15-30 mg/kg PO q12h。③ 輸液療法 + 電解質補正、制吐・止瀉対症療法。④ ⚠人獣共通感染症—家族(特に小児・免疫不全者)の手洗い・接触予防徹底。⑤ 環境消毒は塩素系(次亜塩素酸 1:10)または過酢酸が有効。⑥ 群飼育では感染源(飼料・水・媒介動物)の検索と隔離。

予防

サルモネラ症の予防には適切な衛生管理・消毒、利用可能なワクチン接種、創傷の迅速な処置、ストレス軽減、適切な換気、感染動物の隔離が含まれる。

予後

サルモネラ症の予後: 早期発見と適切な治療で多くの疾患は予後良好。慢性疾患は定期的モニタリングと治療調整で長期管理可能。

関連する薬品

💊 エンロフロキサシン 💊 トリメトプリム・スルファメトキサゾール

※ 薬品名をクリックすると詳細な投与量・副作用情報を確認できます

感染症の他の疾患(ハムスター)

ハムスターの全疾患を見る →

VetDictでハムスターの鑑別診断を行う

症状チェッカーを使う

関連する疾患

ティザー病 (共通5症状) 抗生物質中毒 (共通5症状) 大腸菌性腸炎(ハムスター) (共通5症状) カンピロバクター腸炎(ハムスター) (共通5症状) 耳感染症(中耳炎)(ハムスター) (共通5症状) 口腔膿瘍(ハムスター) (共通5症状) 肺膿瘍(ハムスター) (共通5症状) 鉛中毒(ハムスター) (共通5症状)
📋 ハムスターの疾患一覧を見る →
※ 本ページの情報は獣医学的参考資料であり、診断・治療の代替ではありません。実際の診療は必ず獣医師にご相談ください。
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。