パスツレラ症
概要
パスツレラ属による細菌感染で、呼吸器疾患、膿瘍、敗血症を引き起こします。
主な症状
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臨床徴候
ハムスターにおけるパスツレラ症の臨床徴候は感染部位と病原体特性により多様だが、共通所見として発熱・元気消失・食欲不振・体重減少が認められる。局所感染では発赤・腫脹・疼痛・排膿を、全身感染では脱水・敗血症・多臓器不全に進展しうる。幼若・高齢・免疫抑制状態は重症化リスクが高く、早期介入が予後改善に直結する。
原因
ハムスターにおけるパスツレラ症の原因: パスツレラ属による細菌感染で、呼吸器疾患、膿瘍、敗血症を引き起こします。
病態生理
ハムスターのパスツレラ症はPasteurella pneumotropica(最多)による細菌感染症。ウサギのP. multocidaとは異なる種であることに注意。P. pneumotropicaは上部気道に常在菌として存在し、ストレス(過密、不衛生、輸送、低温)や免疫低下時に日和見感染として発症する。臨床型:(1) 上部気道感染(くしゃみ、鼻汁)、(2) 結膜炎、(3) 皮下膿瘍(咬傷感染からの発展)、(4) 子宮感染(子宮蓄膿症への進展)、(5) 敗血症(免疫不全個体で致死的)。多頭飼育・ペットショップでの蔓延が問題となる (Percy DH & Barthold SW. 2016)。
診断
鼻汁・くしゃみ・眼周囲の膿性分泌物・皮下膿瘍の臨床評価。患部スワブの細菌培養・感受性試験でPasteurella pneumotropicaを同定。CBC(採血量≤体重の1%)で好中球増加・左方移動を確認。血液生化学で全身性感染に伴う変化を評価。胸部X線で肺炎合併を検索。膿瘍のFNA細胞診で変性好中球・グラム陰性短桿菌を確認。中耳炎/内耳炎合併時は頭部X線/CTで鼓室の混濁を確認。ストレス・過密飼育・他の呼吸器感染との合併が多い
治療
ハムスターにおけるパスツレラ症 (Pasteurella multocida): ① 第一選択: エンロフロキサシン 5-15 mg/kg PO/SC q12-24h × 14-30日(ウサギの慢性例は3ヶ月以上)、ペニシリン G 40,000-60,000 IU/kg SC q24h(ウサギは経口β-ラクタム禁忌、SC/IMのみ)、トリメトプリム・スルファ 15-30 mg/kg PO q12h。② 鼻腔・上気道炎(snuffles): ネブライザー(生食 + ゲンタマイシン 50 mg/4 mL)q8-12h。③ 皮下膿瘍は外科的切開・除去(マルセイン化)が再発予防に重要—単純な切開排膿は不十分。④ 中耳・内耳炎: 全身抗菌薬 + 鼓室洗浄、ステロイド使用は議論あり(短期低用量のみ)。⑤ 慢性キャリア・群飼育: 感染個体の隔離、新規導入時の鼻腔培養スクリーニング。支持療法(小型哺乳類): 等張輸液 80-100 mL/kg/日 SC/IV、保温(26-28℃)、シリンジ給餌(Critical Care/Recovery 50-90 mL/kg/日を3-4回分割)、メロキシカム 0.5-1.0 mg/kg PO q12-24h で疼痛・炎症管理。
予防
パスツレラ症の予防には適切な衛生管理・消毒、利用可能なワクチン接種、創傷の迅速な処置、ストレス軽減、適切な換気、感染動物の隔離が含まれる。
予後
パスツレラ症の予後: 早期発見と適切な治療で多くの疾患は予後良好。慢性疾患は定期的モニタリングと治療調整で長期管理可能。
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