皮膚メラノサイトーマ
概要
皮膚の良性メラノサイト腫瘍で、暗い色素沈着した隆起性結節として現れます。
主な症状
※ 症状をクリックすると、その症状を示すハムスターの他の疾患を確認できます
臨床徴候
ハムスターにおける皮膚メラノサイトーマの臨床徴候は罹患臓器と腫瘍の種類により多様。一般的所見: 進行性の腫瘤形成・体重減少・食欲不振・元気消失・貧血。体表腫瘤では触知可能な腫脹・疼痛を、内臓腫瘍では腹部膨満・嘔吐・下痢・呼吸困難・リンパ節腫大などの非特異的症状を呈する。傍腫瘍症候群として高カルシウム血症(リンパ腫・肛門周囲腺癌)や低血糖(インスリノーマ)を合併することがある。
原因
ハムスターにおける皮膚メラノサイトーマの原因: 皮膚の良性メラノサイト腫瘍で、暗い色素沈着した隆起性結節として現れます。
病態生理
皮膚メラノサイトーマはハムスターにおける腫瘍性疾患である。癌遺伝子、腫瘍抑制遺伝子、DNA修復機構における遺伝子変異の蓄積により腫瘍性形質転換が生じる。制御不能な細胞増殖により腫瘍が形成され、局所組織への浸潤・破壊の可能性がある。悪性腫瘍はリンパ行性または血行性に転移しうる。高カルシウム血症、悪液質、免疫調節障害などの腫瘍随伴症候群が原発腫瘍に伴い、罹患率に寄与することがある。
診断
皮膚の視診で黒色/暗褐色の丘疹・結節を確認。FNA細胞診でメラニン顆粒を含む均一なメラノサイトを確認(悪性メラノーマとの鑑別が重要)。切除生検・病理組織検査で良性メラノサイトーマを確定。マージン評価。CBC・血液生化学(採血量≤体重の1%)。胸部X線で転移を検索(良性では転移しないが悪性除外のため)。鑑別:悪性メラノーマ、色素性基底細胞腫、皮脂腺腫。完全切除で予後良好。
治療
皮膚メラノサイトーマ(メラノサイト母斑/良性メラノーマ)はハムスター、特にシリアンハムスターで最も多い皮膚腫瘍の一つ。境界明瞭な暗色色素沈着(黒/暗褐色)のドーム状皮内結節として呈し、通常3-15mm。体幹・側腹・四肢に好発。通常孤立性だが多発することもある。【診断】FNA——メラニン含有紡錘形/類上皮細胞、均一な核、核分裂像なし; 色素が細胞所見を隠す場合はH2O2でメラニンブリーチ。切除生検+病理組織検査がゴールドスタンダード——メラノサイトーマは真皮内の分化したメラノサイトで押出性境界、低有糸分裂指数(<3/10HPF)、リンパ管/血管侵襲なし。【重要な鑑別】メラノサイトーマ(良性)vs メラノーマ(悪性)——悪性は核異型、高有糸分裂率(>3/10HPF)、接合部活性、リンパ管/血管侵襲、転移の可能性。【保存的管理】FNAまたは臨床的に良性メラノサイトーマが強く示唆される場合(境界明瞭・緩徐増大・非潰瘍性・<10mm)、経過観察で可。q4-8週で定規付き写真撮影しサイズの安定性を記録。【外科切除】推奨: 診断不確定(FNAのみでは良悪性鑑別不能)、急速増大、潰瘍化、>10mm、機能障害。手技: イソフルラン麻酔、5-10mm側方マージン+深部1筋膜面で切除、5-0/6-0吸収糸で閉鎖。術後: メロキシカム0.2mg/kg PO/SC q24h×3-5日。マージン評価付き病理提出——悪性メラノーマの不完全切除は広範再切除または再発モニタが必要。悪性メラノーマ確定: 胸部X線+腹部超音波でステージング(肺・肝・リンパ節転移)。悪性メラノーマの予後は不良。ハムスターメラノーマの化学療法プロトコルは確立されていない。参考文献: Harkness & Wagner (1995), Percy & Barthold (2007), Ernst et al. (2018), Pour et al. (1979)。
予防
メラノサイト腫瘍の特異的予防はない——遺伝的素因が主要因子。ハンドリング時の定期的皮膚観察で新しい色素性腫瘤の早期発見。新規・急速増大・変化する皮膚腫瘤の速やかな獣医評価。ハムスターのメラノサイト腫瘍ではUV曝露は重要な因子ではない(ヒトとは異なる)。
予後
皮膚メラノサイトーマ(良性)の予後は優れている——外科切除で治癒、十分なマージンで再発率<5%。確認された良性病変は手術なしの経過観察も可。悪性メラノーマ: 不良——局所浸潤性、高い転移能、有効な化学療法なし。全体としてハムスターのメラノサイト皮膚腫瘍の大多数(>90%)は良性メラノサイトーマで予後は優れている。
関連する薬品
※ 薬品名をクリックすると詳細な投与量・副作用情報を確認できます
その他の他の疾患(ハムスター)
VetDictでハムスターの鑑別診断を行う
症状チェッカーを使う関連する疾患
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。