甲状腺癌
概要
甲状腺の悪性腫瘍で、局所圧迫と転移を引き起こす。
主な症状
※ 症状をクリックすると、その症状を示す鳥の他の疾患を確認できます
臨床徴候
鳥における甲状腺癌の臨床徴候は罹患臓器と腫瘍の種類により多様。一般的所見: 進行性の腫瘤形成・体重減少・食欲不振・元気消失・貧血。体表腫瘤では触知可能な腫脹・疼痛を、内臓腫瘍では腹部膨満・嘔吐・下痢・呼吸困難・リンパ節腫大などの非特異的症状を呈する。傍腫瘍症候群として高カルシウム血症(リンパ腫・肛門周囲腺癌)や低血糖(インスリノーマ)を合併することがある。
原因
鳥における甲状腺癌の原因: 甲状腺の悪性腫瘍で、局所圧迫と転移を引き起こす。
病態生理
甲状腺癌は鳥における腫瘍性疾患である。癌遺伝子、腫瘍抑制遺伝子、DNA修復機構における遺伝子変異の蓄積により腫瘍性形質転換が生じる。制御不能な細胞増殖により腫瘍が形成され、局所組織への浸潤・破壊の可能性がある。悪性腫瘍はリンパ行性または血行性に転移しうる。高カルシウム血症、悪液質、免疫調節障害などの腫瘍随伴症候群が原発腫瘍に伴い、罹患率に寄与することがある。
診断
頸部腫瘤・呼吸困難(気管圧迫)・嚥下困難の臨床評価。頸部触診で甲状腺領域の硬い腫瘤を確認。頸部X線・CTで腫瘤のサイズ・気管偏位・浸潤範囲を判定。FNA細胞診で甲状腺腫瘍細胞の形態評価(濾胞型・乳頭型の鑑別)。組織生検・病理組織検査で確定診断。血液生化学(採血量≤体重の1%)でT4値を測定。CBC で全身状態を評価。鳥類の甲状腺癌は甲状腺腺腫と鑑別が必要で、浸潤性増殖・転移の有無が鑑別点となる
治療
腫瘤が切除可能であればイソフルラン麻酔下での甲状腺摘出術(注意深い止血を伴う)。頸部主要血管に近接するため手術リスクは高い。メロキシカム(0.5-1 mg/kg PO q12-24h)による疼痛管理の緩和ケア。両側摘出後はレボチロキシン(20 mcg/kg PO q12h)補充。手術不能例にはカルボプラチンを試みることがあるが鳥類データは限定的。
予防
甲状腺癌の予防は限定的であるが、ホルモン依存性腫瘍軽減のための避妊・去勢手術、既知の発癌物質の回避、早期発見のための定期健診、適正体型の維持、該当する場合は遺伝的素因軽減のための責任ある繁殖が含まれる。
予後
甲状腺癌の予後: 腫瘍の種類、病期、転移の有無により予後は大きく異なる。早期発見・早期治療で予後改善。悪性腫瘍は一般的に予後要注意〜不良。
関連する薬品
※ 薬品名をクリックすると詳細な投与量・副作用情報を確認できます
腫瘍の他の疾患(鳥)
VetDictで鳥の鑑別診断を行う
症状チェッカーを使う関連する疾患
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。