総排泄腔脱
概要
鳥における外傷性の生殖器系疾患。総排泄腔脱は適切な診断と治療管理が重要である。早期発見と適切な介入が予後改善の鍵となる。
主な症状
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臨床徴候
鳥における総排泄腔脱出の臨床徴候は罹患臓器と腫瘍の種類により多様。一般的所見: 進行性の腫瘤形成・体重減少・食欲不振・元気消失・貧血。体表腫瘤では触知可能な腫脹・疼痛を、内臓腫瘍では腹部膨満・嘔吐・下痢・呼吸困難・リンパ節腫大などの非特異的症状を呈する。傍腫瘍症候群として高カルシウム血症(リンパ腫・肛門周囲腺癌)や低血糖(インスリノーマ)を合併することがある。
原因
生殖器系組織への物理的外傷が原因。転落・ケージ損傷・取扱い事故・同居個体や捕食者からの咬傷・環境危険物が一般的原因。鳥の解剖学的特性が特定の損傷タイプへの素因となりうる。二次合併症として感染・治癒遅延・慢性疼痛がある。
病態生理
鳥の生殖器系組織への外傷性損傷は、挫傷・裂傷・骨折を含む直接的な機械的組織損傷を引き起こす。急性炎症反応により浮腫・出血・疼痛が生じる。二次合併症として細菌汚染・感染・治癒遅延がある。鳥では損傷からのストレスが追加の全身合併症を引き起こしうる。
診断
脱出組織の同定(総排泄腔粘膜・卵管・腸管・総排泄腔嚢)が最重要で、視診と触診で腫脹・変色・壊死の程度を評価。X線で腹腔内腫瘤・卵詰まり・腸閉塞を除外。CBC・生化学で脱水・電解質異常・感染徴候を確認。血中Ca値測定で低Ca血症の関与を評価。鳥類ではいきみの原因(産卵障害・下痢・便秘・寄生虫)の特定が再発防止に重要。脱出組織の培養で二次感染の起因菌を同定する。慢性例や再発例では総排泄腔の筋緊張低下の原因検索(栄養・神経)も必要である。
治療
脱出組織を温生理食塩水で洗浄し、浮腫軽減に高張糖液(50%ブドウ糖)を塗布。用手整復後、クロアカ縁に巾着縫合で再脱出を防止。原因疾患の治療(産卵困難→ホルモン療法、感染→抗菌薬)。重度壊死組織は切除。メロキシカム(0.5 mg/kg PO q24h)で疼痛管理。慢性産卵が原因ならデスロレリンインプラントで産卵抑制を図る。
予防
鳥における総排泄腔脱の予防には、ホルモン依存性腫瘍に対する早期避妊去勢手術(乳腺腫瘍・前立腺癌・精巣腫瘍・子宮腺癌・肛門腺癌等)が確立された予防策。発癌性物質への曝露回避(タバコの煙・農薬・タール・特定の合成樹脂)、適正体重維持、抗酸化物質を含むバランスの取れた食事、紫外線過剰曝露の回避が予防に寄与する。定期的健康診断(触診・画像診断・血液検査)による早期発見が最も実効性ある予防策。発癌性ウイルス予防(FeLV ワクチン)も重要。
予後
鳥における総排泄腔脱の予後は組織型・悪性度・臨床ステージ・転移の有無・治療反応性により大きく異なる。確定診断(細胞診・病理組織検査)と病期診断(画像・所属リンパ節評価)に基づき、外科・化学療法・放射線療法を組み合わせた治療方針を決定する。早期診断・早期介入が予後改善の鍵となる。
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