オオサンショウウオイリドウイルス病
概要
中国産・日本産オオサンショウウオに発生する高致死性イリドウイルス感染症。養殖個体群で全身性出血性疾患を引き起こし、高い致死率を示す。
主な症状
原因
イリドウイルス科ラナウイルス属のオオサンショウウオイリドウイルス(CGSIV)が原因。直接接触、汚染水、媒介物を介して伝播。過密飼育、水質悪化、水温変動によるストレスが感受性を増大。
病態生理
ウイルスは血管内皮細胞と造血組織で増殖し、肝臓・脾臓・腎臓の広範な出血と壊死を引き起こす。重度のウイルス血症はDIC(播種性血管内凝固)と多臓器不全に至る。
治療
【届出疾病】(中国産・日本産オオサンショウウオはCITES掲載; 野生動物当局に即時連絡)。特異的抗ウイルス療法なし; 未感染飼育/養殖集団で致死率90-100%(Geng 2011 Arch Virol)。【即時厳格隔離】専用冷水システム(15-18°C); 専用器具・ニトリル手袋・Virkon S 1%足浴。確定診断: CGSIV特異的プライマーによる皮膚スワブと剖検組織(肝・脾・腎)でqPCR; 組織でウイルス粒子確認のための電子顕微鏡; 組織病理で好塩基性細胞質内封入体。【支持療法】(効果限定)冷水15-18°C維持(重要 - Andriasは絶対冷水性、>20°Cで致死率上昇); 大型個体には両生類リンゲル液(NaCl 6.6g + KCl 0.15g + CaCl₂ 0.15g + NaHCO₃ 0.2g/L)浴15-30分 q6-8h; 完璧な水質(NH₃<0.25 ppm、NO₂⁻ 0、溶存O₂>8 mg/L、流水系推奨); 皮膚出血性病変にシルバースルファジアジン1%; 0.6%滅菌食塩水で愛護的創傷洗浄。【二次細菌感染予防】セフタジジム20 mg/kg ICe/IM q72h × 14日(Wright 2006); DIC関連細菌トランスロケーションから重要。【疼痛・ストレス】ブトルファノール0.4 mg/kg SC q12h; DICリスクからNSAID回避。【人道的安楽死】(MS-222 >1 g/L緩衝液後ピッシング)重度出血例で発生拡大阻止と苦痛軽減に倫理的適応 - オオサンショウウオ大型サイズには高用量MS-222と二重確認が必要な場合あり。【養殖場バイオセキュリティ】全頭処分が法的要求の場合あり; 全汚染物を高圧滅菌/焼却; タンクをVirkon S 1% × 30分消毒; 残存個体は最低60日検疫とPCR確認; 国際輸送にはCITES当局に届出。ワクチン研究中(不活化CGSIVワクチンが部分効果示唆 - Zhao 2018)だが市販未。文献: Geng 2011 Arch Virol, Dong 2011 Dis Aquat Organ, Zhao 2018 Fish Shellfish Immunol。
予防
養殖施設での厳格なバイオセキュリティ。種親のPCRスクリーニング。新規個体の60日間検疫。10%次亜塩素酸ナトリウムまたはクロルヘキシジン(0.75%)による消毒。野生個体と飼育個体の混合回避。
予後
予後不良。未感染集団での致死率は90-100%に達しうる。生存個体は慢性キャリアとなる可能性がある。現在ワクチンは利用不可。
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