両生類エリザベスキンギア髄膜脳炎
概要
飼育下両生類におけるElizabethkingia meningoseptica(旧Chryseobacterium)による全身感染症と髄膜脳炎。実験用カエルコロニーで特に壊滅的。
主な症状
原因
Elizabethkingia meningosepticaは水・土壌に存在する環境細菌。免疫抑制またはストレス下の両生類における日和見感染。実験施設・繁殖コロニーで集団発生しうる。多くの抗菌薬に自然耐性。
病態生理
細菌が障害された粘膜または皮膚から侵入し、菌血症を起こし血液脳関門を通過して髄膜脳炎を引き起こす。エンドトキシン産生が敗血症性ショックに至る。β-ラクタム系・アミノグリコシド系への自然耐性が治療選択肢を制限。
治療
髄膜脳炎を伴う真の緊急事態 - 神経学的関与は重篤予後。【重要】Elizabethkingia meningosepticaはβ-ラクタム系(セフタジジム含む)・アミノグリコシド系・多くの経験的両生類抗菌薬に自然耐性 - 標準的経験治療は失敗する。即時隔離と培養感受性試験に基づく治療必須。【診断検査】血液・CSF(MS-222鎮静75-100 mg/L緩衝下で大槽穿刺)・皮膚病変・剖検脳組織での細菌培養と感受性試験; 可能ならPCR確認; 組織病理で脳/髄膜のグラム陰性桿菌と単核球浸潤。【経験的治療】(培養結果待ち)E. meningoseptica既知感受性プロファイルに基づき: 【トリメトプリム・スルファメトキサゾール(TMP-SMX)】15-30 mg/kg PO/SC q12h × 21日(第一選択、CNS移行良好); 併用または単独【リファンピン】5-10 mg/kg PO q24h × 21日(優秀なCNS移行、TMP-SMXと相乗作用); エンロフロキサシン10 mg/kg SC q24h × 21日(中等度CNS移行、幼生禁-軟骨毒性); 代替ミノサイクリン5 mg/kg PO q12h × 21日。【禁忌】セフタジジム・アミカシン・ゲンタマイシン・ペニシリン系(自然耐性)。髄膜脳炎にはCSF移行薬を強く推奨: 感受性確認時クロラムフェニコール20-50 mg/kg PO q12h追加考慮。【支持療法】両生類リンゲル液(NaCl 6.6g + KCl 0.15g + CaCl₂ 0.15g + NaHCO₃ 0.2g/L)25 mL/kg ICe q12h; 種別POTZの温暖湿潤環境; 最小限の取扱/低ストレス; 痙攣対応(ジアゼパム0.5-1 mg/kg IM頓用 - データ限定); 栄養補給Emeraid Carnivore 1-2 mL/kg q24-48hガベージ。【髄膜脳炎支持療法】頭部挙上(耐容種)、脳浮腫にマンニトール0.5 g/kg緩徐ICe 20分以上 q12h(両生類では実験的)。【疼痛管理】ブトルファノール0.4 mg/kg SC q12h。【人獣共通感染症リスク】Elizabethkingiaはヒトの髄膜炎・敗血症原因 - 取扱者はPPE(手袋・マスク・眼保護); クロルヘキシジン手指衛生; 免疫不全者は罹患両生類取扱禁止。【バイオセキュリティ】罹患個体を別室隔離; 専用器具; 全水源UV滅菌(E. meningoseptica水系細菌); 飼育容器をVirkon S 1% × 10分消毒; コロニー水源の培養/PCR検査。重度神経学的関与(痙攣・昏睡)は重篤予後から人道的安楽死適応。文献: Olson 2015 Vet Clin Exot Anim; Kämpfer 2011(分類学); Jean 2017 Infect Dis Rep(抗菌薬感受性パターン)。
予防
水質管理の徹底。飼育密度の低減。水源のPCRまたは培養スクリーニング。飼育容器間の厳格なバイオセキュリティ。コロニー管理用水供給のUV殺菌。
予後
予後不良。髄膜脳炎は治療にもかかわらず致死的なことが多い。早期全身感染は適切な抗菌薬に反応しうる。コロニーレベルの集団発生は高い致死率。
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