黄色真菌症(CANV)
概要
爬虫類における真菌性の皮膚疾患。黄色真菌病は適切な診断と治療管理が重要である。早期発見と適切な介入が予後改善の鍵となる。
主な症状
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臨床徴候
爬虫類における黄色真菌病の臨床徴候は感染部位と病原体特性により多様だが、共通所見として発熱・元気消失・食欲不振・体重減少が認められる。局所感染では発赤・腫脹・疼痛・排膿を、全身感染では脱水・敗血症・多臓器不全に進展しうる。 皮膚病変(円形脱毛・落屑・痂皮)、慢性鼻汁、または深在性真菌症では咳・体重減少・神経症状が見られる。幼若・高齢・免疫抑制状態は重症化リスクが高く、早期介入が予後改善に直結する。
原因
真菌Nannizziopsis guarroi(旧CANV)による感染。フトアゴヒゲトカゲやその他のアガマ科で高度に伝染性。免疫抑制、不適切な飼育管理、過密飼育、ストレスが素因。直接接触または汚染された媒介物を介して伝播。
病態生理
真菌が真皮深層と皮下組織に侵入し進行性壊死性皮膚炎を引き起こす。表在性皮膚糸状菌症と異なりCANVは皮膚全層を貫通し下層の筋肉と骨に達する。進行例では内臓(肝臓、肺)への血行性播種が起こる。菌はケラチン分解酵素を産生し組織を破壊する。
診断
皮膚病変部の圧挫標本・細胞診で分岐する菌糸・分節型分生子を確認。真菌培養(25-30℃、SDA培地、2-4週間)でChryosporium anamorph of Nannizziopsis vriesiiを同定。PCR(ITS領域)による分子生物学的種同定が確定診断に推奨。皮膚生検・病理でPAS/GMS染色陽性の菌糸侵入を確認。CBC(ヘテロフィル増多→全身性炎症)、血液生化学(低アルブミン→慢性消耗)。X線・CTで深部組織・骨浸潤の評価。
治療
【爬虫類における黄色真菌病(爬虫類)】 黄色真菌病(爬虫類)は爬虫類における正確な臨床評価(病歴、身体検査、CBC・生化学、画像)から治療方針を決定。 基礎疾患の特定→特異的治療+支持療法の組み合わせが原則。 経過モニタリング: 主訴の改善、検査値の変化、QOLを2-4週毎に再評価。 複雑症例は爬虫類専門医(ACZMまたはAVMAエキゾチック分科会等)に紹介を検討。 具体的な薬剤目安: Voriconazole 10 mg/kg PO、Itraconazole 5 mg/kg PO、Terbinafine 10-15 mg/kg PO。 支持療法(爬虫類): 種別POTZ(preferred optimum temperature zone)維持が免疫機能回復の前提条件。輸液 25-30 mL/kg/日 SC/ICe(ノルモソルR、温熱)、強制給餌(Carnivore Care 等)、メロキシカム 0.2-0.5 mg/kg PO/IM q24-48h(NSAID持続投与時は腎機能をモニタ)。 【鑑別と経過観察】類似症候を呈する疾患の除外と、治療4-8週後の再評価が予後改善の鍵。重症度・併発症によっては爬虫類の専門医紹介を考慮する。
予防
爬虫類における黄色真菌病の予防は感染源との接触回避と環境管理が中心。皮膚糸状菌症: 感染動物・汚染環境(グルーミング用品・カーペット・寝具)との接触回避、新規導入動物のWood lamp検査と培養スクリーニング。深在性真菌症: 流行地での過剰な土壌粉塵曝露回避(猟犬・農用動物)、地理的リスク評価。カンジダ/マラセチアの日和見感染予防には基礎疾患(内分泌異常・免疫抑制)の適切な管理と長期抗菌薬使用の慎重な評価が重要。
予後
爬虫類における黄色真菌病の予後は病原体の毒力・宿主免疫状態・治療開始時期・基礎疾患の有無により大きく異なる。早期診断と適切な抗病原体療法・支持療法により多くの感染症は良好な予後となる。宿主の免疫抑制・若齢・高齢・多臓器不全併発例は予後不良となりうる。再発・慢性化・薬剤耐性発現も予後に影響する重要因子である。
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