スペクタクル脱皮不全(アイキャップ残留)
概要
ヘビや一部のヤモリでスペクタクル(眼鏡)が脱皮されない状態で、感染のリスクがあります。
主な症状
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臨床徴候
爬虫類におけるスペクタクル脱皮不全(アイキャップ残留)の臨床徴候は外傷部位と重症度により異なる。骨折: 跛行(非荷重)・腫脹・捻髪音・変形・疼痛。裂傷: 出血・組織欠損・感染リスク。内臓損傷: ショック徴候・腹部緊張・呼吸困難(横隔膜ヘルニア・気胸)。脳挫傷: 意識低下・瞳孔異常・運動失調・発作。脊椎損傷: 麻痺・反射異常・排尿障害。重度外傷では多発外傷の評価と緊急安定化が予後を左右する。
原因
一般的な脱皮不全と同じ原因:低湿度、脱水、外部寄生虫、栄養不良、全身疾患。連続する脱皮で複数の残存スペクタクルが蓄積し、最終的に眼球を圧迫する可能性がある。
病態生理
スペクタクルは透明な鱗(第三眼瞼の融合体)で、通常は他の皮膚とともに脱落する。残存すると、スペクタクル層間に細菌が定着するポケットが形成され、スペクタクル下感染に至る。複数の蓄積したスペクタクルは眼圧上昇と角膜損傷を引き起こす。
診断
スペクタクル遺残(眼鏡鱗遺残)の診断は、ヘビ・ゲッコー類の脱皮後にスペクタクルが白濁・不透明のまま残存する視診所見で行う。正常脱皮では透明なスペクタクルが一体として脱落するが、低湿度・脱水・感染により遺残する。スリットランプ検査で層数と癒着度を評価し、複数層の蓄積を確認する。眼窩下膿瘍(subspectacular abscess)の併発をエコー検査で除外し、無理な剥離は角膜損傷のリスクがある。
治療
ぬるま湯に20-30分浸漬して軟化。スペクタクルに人工涙液またはミネラルオイルを塗布。湿った綿棒で優しく除去を試みる — 決して無理に剥がさない。多層の場合は鎮静下で微細鑷子と手術顕微鏡での除去が必要な場合あり。原因となる湿度問題の改善。
予防
湿度シェルター/モイストボックスで適切な湿度を維持。十分な水分補給の確保。毎回の脱皮後に残存スペクタクルを確認。外部寄生虫と全身疾患の治療。
予後
角膜損傷なしに除去されれば予後極めて良好。二次感染を伴う多層蓄積スペクタクルの視力保存は予後要注意。
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