前胃拡張(PDD以外の原因)
概要
重金属中毒、異物、ボルナウイルス以外の原因による前胃拡張。
主な症状
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臨床徴候
オウムにおける前胃拡張症の臨床徴候は消化管病変の部位と病態により異なる。上部消化管: 嘔吐・吐血・食欲不振。小腸: 下痢(小腸性: 量多・回数少・体重減少を伴う)・嘔吐・腹痛。大腸: 下痢(大腸性: 量少・回数多・粘液・血便・テネスムス)。急性腹症: 強い腹痛・嘔吐・ショック徴候・腹部触診で腫瘤や緊張感(GDV・腸捻転・腸閉塞)は緊急評価が必要。
原因
オウムの前胃拡張症(PDD)は鳥ボルナウイルス(avian bornavirus / Parrot bornavirus, PaBV)感染が主因で、糞・尿を介した水平感染が想定される。コニュアやヨウム・ボウシインコなど大型インコに多い。
病態生理
前胃拡張(PDD以外の原因)は鳥ボルナウイルス以外の原因による前胃拡張である。重金属(鉛・亜鉛)中毒、異物による物理的閉塞、平滑筋の機能障害、腫瘍や慢性炎症などが前胃の運動低下・拡張を引き起こす。原因により病態は異なるが、共通して消化管通過障害・うっ滞・栄養吸収不全を生じる。
診断
X線検査で前胃拡張(プロベントリクルス径の著明な増大)を確認。造影X線でバリウム通過遅延を評価。CBC・生化学で非特異的変化(CK上昇、低蛋白)を確認。確定診断はそ嚢または前胃生検による神経叢のリンパ形質細胞性神経節炎の病理所見。ABV-PCR(クロアカ・そ嚢スワブ)で病原体検出するが、感度は70-80%であり陰性でも除外不可。大型オウム(コンゴウインコ、ヨウム)で好発し、体重減少・未消化便・嘔吐の3徴に注意。
治療
【オウムにおける前胃拡張(PDD以外の原因)】 前胃拡張(PDD以外の原因)はオウムにおける正確な臨床評価(病歴、身体検査、CBC・生化学、画像)から治療方針を決定。 基礎疾患の特定→特異的治療+支持療法の組み合わせが原則。 経過モニタリング: 主訴の改善、検査値の変化、QOLを2-4週毎に再評価。 複雑症例はオウム専門医(ACZMまたはAVMAエキゾチック分科会等)に紹介を検討。 支持療法(鳥類): 保温28-30℃(重症は30-32℃)、皮下/骨内輸液 50-100 mL/kg/日 (温乳酸リンゲルまたはノルモソルR)、強制給餌(Emeraid Omnivore/Carnivoreなど 20-30 mL/kg q4-6h)、酸素分圧40%以下を維持しつつ呼吸補助。 【鑑別と経過観察】類似症候を呈する疾患の除外と、治療4-8週後の再評価が予後改善の鍵。重症度・併発症によってはオウムの専門医紹介を考慮する。
予防
オウムにおける前胃拡張症の予防は栄養管理と環境管理が中心。バランスの取れた高品質食、急激な食事変更回避、食物アレルゲンの特定と除去食。草食動物(ウサギ・モルモット・チンチラ・デグー): 高繊維チモシー乾草を給与量の80%以上、ペレット過剰摂取回避、新鮮野菜の段階的導入。異物誤食予防(玩具・包装材・植物の管理)。定期的駆虫、ストレス管理、適切なワクチネーション。
予後
疾患の重症度、治療開始の早さ、治療反応により異なる。早期の適切な治療介入で一般に予後改善。
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