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インコ (Parakeet) 筋骨格 重度

脚骨折

Leg Fractures / 脚骨折

概要

インコにおける外傷性の筋骨格系疾患。脚骨折は適切な診断と治療管理が重要である。早期発見と適切な介入が予後改善の鍵となる。

主な症状

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臨床徴候

インコにおける翼骨折の臨床徴候は罹患部位と病態の急性/慢性により異なる。急性外傷: 跛行(非荷重)・腫脹・疼痛・変形(骨折・脱臼)。慢性変性: 起立困難・運動不耐性・跛行(運動後悪化・寒冷で悪化)・関節腫脹(OA等)。発達性異常: 子犬期から軽度跛行(股関節・肘関節形成不全)。感染性: 発熱を伴う関節腫脹・疼痛(敗血症性関節炎)。

原因

インコにおける翼骨折の原因は外傷性(骨折・脱臼・靭帯損傷)、変性性(変形性関節症)、発達異常(股関節形成不全・肘関節形成不全・膝蓋骨脱臼)、免疫介在性(多発性関節炎)、感染性(骨髄炎・敗血症性関節炎)、栄養性(代謝性骨疾患・栄養性二次性副甲状腺機能亢進症)、腫瘍性(骨肉腫)、遺伝性(軟骨異形成)に分類される。鳥類では栄養性骨軟化症・産卵関連カルシウム枯渇・気骨折(中空気骨)が主要病態。肥満、過剰運動、不適切な栄養管理(成長期の過剰カロリー・カルシウム)が変性・発達性疾患のリスクを増大させる。(インコは気嚢システムを持ち、ストレスで急変する)

病態生理

インコにおける翼骨折の病態生理は骨・関節・靱帯・腱・筋の構造的破綻と二次的炎症により展開する。関節疾患では軟骨基質の変性・摩耗→軟骨下骨硬化・骨棘形成→滑膜炎・疼痛・可動域制限の悪循環を生じる。骨折・靱帯損傷では構造的支持の喪失→不安定性・異常負荷→疼痛・跛行・廃用性筋萎縮を来す。骨代謝異常(代謝性骨疾患・栄養性二次性副甲状腺機能亢進症)では骨吸収亢進・骨基質石灰化障害により病的骨折・骨変形を生じる。慢性経過では関節拘縮・筋力低下・運動機能障害が進行する。

診断

X線検査(2方向撮影:骨折の部位・タイプ〈横骨折/斜骨折/螺旋骨折/粉砕骨折〉・転位の評価)。鳥類の翼骨(上腕骨・橈尺骨・手根中手骨)は含気骨であり、気嚢と連続するため開放骨折は気嚢への汚染リスクがある。CBC・生化学(Ca・P・ビタミンD3:代謝性骨疾患の合併評価)。インコ類は体格が小さく骨が薄いため、不適切な保定でも骨折を生じうる。飛翔機能の温存を考慮した治療選択が重要。

治療

セキセイインコの脚骨折 — 脛足根骨と足根中足骨が最も多く骨折。外傷性骨折(急性発症、腫脹、握雪音)と病的骨折(MBD、腎腫瘍による骨融解)を鑑別。【緊急安定化】: メロキシカム0.5-1 mg/kg PO/IM直ちに鎮痛。重度疼痛にブトルファノール1-2 mg/kg IM。保温28-30°C、ハンドリング最小化。【X線】: 2方向(AP・側面)で骨折型・部位・転位を特定。【外固定(大部分のセキセイインコ脚骨折の第一選択)】: ボールバンデージ — ガーゼボールを足に保持、足根中足骨を自着性バンデージ(ベトラップ)で巻き脛足根骨まで延長。単純な足根中足骨骨折に有効。脛足根骨骨折にはロバートジョーンズ型バンデージ。シュレーダートーマス副木(小型インコ用に改良)は脛足根骨骨幹部骨折に。q3-5日でバンデージ交換、趾の圧迫壊死を確認(循環チェック — 趾が温暖でピンクであること)。【外科的固定(転位・開放・粉砕骨折)】: 適切なサイズの皮下注射針(セキセイインコには25-27G)で髄内ピン固定 — 逆行性テクニック推奨。複雑骨折には0.7-0.9 mmピンとアクリル連結棒の創外固定(ESF)。イソフルラン麻酔が必要。【開放骨折】: 滅菌生食で大量洗浄、汚染組織デブリードマン、エンロフロキサシン15 mg/kg PO/IM q12h 10-14日間。【術後】: 低止まり木とパッド床の小ケージで活動制限。食欲なければそ嚢チューブ給餌。X線再検を2・4・6週で — 鳥類骨は哺乳類より治癒が早い(2週で仮骨可視、3-6週で臨床的癒合)。4-6週でIMピン抜去。【MBD併存時】: Ca/ビタミンD3欠乏に対処(MBD治療参照)— 矯正なしでは病的骨折が再発。参考: Bennett RA & Kuzma AB (1992); Harcourt-Brown NH (2003).

予防

インコにおける翼骨折の予防は適正体重・適切な栄養・適度な運動が3本柱。発達性疾患予防: 成長期の過剰カロリー回避、適切なカルシウム/リン比、過度な運動の回避。OA予防: 適正体重維持、関節サプリメント(グルコサミン・コンドロイチン・MSM)、低衝撃運動。骨折・外傷予防: 安全な飼育環境、リード散歩、滑床対策。代謝性骨疾患予防: 適切な栄養とUV-B(爬虫類・若齢動物)。

予後

インコにおける脚骨折の予後は部位・粉砕度に応じた整復・固定で良好だが、開放骨折・感染併発例は治癒が遷延する。

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