趾締付け症候群
概要
繊維や乾燥組織のリングによる趾の環状締付けで、虚血性壊死のリスクがある。
主な症状
原因
胚発生中の筋骨格系発達異常が原因。遺伝子変異(常染色体優性・劣性・多因子性)・染色体異常・催奇形物質曝露に起因しうる。近親交配が先天性欠損のリスクを増加。特定のインコ系統に品種特異的素因が存在しうる。
病態生理
インコの筋骨格系の先天性異常は、胚発生中の発達エラーに起因し、遺伝子変異・染色体異常・催奇形物質曝露が関与しうる。構造的または機能的欠損は出生時に明らかか、成長に伴い臨床的に顕在化する。一部のインコ系統では遺伝的要因による品種特異的素因が存在する。
治療
セキセイインコ雛の趾締付け症候群 — 乾燥した組織・繊維・壊死皮膚の環状バンドが1本以上の趾を締め付け、締付け部より遠位の血管供給を障害し虚血性壊死を引き起こす。新生雛(2-14日齢)に最多。【原因】: 巣箱の低湿度(<40%)で皮膚の脱水と蓄積した残骸(乾燥糞便、羽鞘、巣材繊維)が密な環状バンドを形成。手差し飼育環境や乾燥気候でより多い。【緊急治療】: 患趾を温滅菌生食または温水に10-15分浸漬して締付けバンドを軟化。拡大鏡(手術ルーペまたは実体顕微鏡)下で、マイクロサージャリー器具(虹彩はさみ、微細鑷子)または25-27Gニードル先端をマイクロブレードとして使用し、締付けバンドを慎重に切開除去。趾背面で切開 — 足底面の趾動脈・屈筋腱を避ける。【重要】: 環状に切開しないこと — バンドのみの背面単一縦切開。解放部に局所抗菌軟膏(スルファジアジン銀またはトリプル抗菌薬)を塗布。再灌流促進のため穏やかにマッサージ。【鎮痛】: メロキシカム0.5 mg/kg PO q24h 3-5日間。【モニタリング】: 48-72時間q12hで遠位趾灌流を評価 — ピンク色と温暖さが組織生存を示す。解放後もチアノーゼまたは冷たい趾は患趾切断が必要な場合あり。【壊死趾】: 来院時に既に壊死(黒色、冷感、無感覚)であれば近位指骨での切断が必要 — イソフルラン麻酔下でデブリードマン、止血に硝酸銀焼灼またはラジオサージャリー。【湿度管理(予防と治療後)】: 巣箱湿度55-70%を維持 — 巣箱内部を毎日霧吹きまたは巣の近く(中ではなく)に湿スポンジを設置。繁殖雌の十分な水分摂取を確保。巣箱の清潔維持 — 乾燥糞便・残骸を毎日除去。【予後】: 虚血性障害前(数時間以内)に発見されれば優秀。軽度浮腫/変色があれば普通。趾が既に壊死していれば不良。参考: Clubb SL & Clubb KJ (1997) Psittacine Aviculture; Romagnano A (2005) Vet Clin North Am Exot Anim Pract.
予防
予防には適切な飼育管理(適切な食事・清潔な環境・最適な温湿度);定期的な獣医師の健康診断;新規動物の検疫;ストレス軽減;種特異的予防措置が含まれる
予後
先天性疾患の予後は異常の種類と重症度に依存する。軽度の機能的異常は管理可能で予後良好。重度の構造的異常は外科的介入が必要な場合があり、予後は変動的。遺伝性疾患の場合、罹患個体の繁殖は避けるべき。
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