リンパ腫
概要
リンパ系の全身性腫瘍で、ハリネズミに比較的多く見られる腫瘍の一つです。
主な症状
※ 症状をクリックすると、その症状を示すハリネズミの他の疾患を確認できます
臨床徴候
ハリネズミにおけるリンパ腫の臨床徴候は罹患臓器と腫瘍の種類により多様。一般的所見: 進行性の腫瘤形成・体重減少・食欲不振・元気消失・貧血。体表腫瘤では触知可能な腫脹・疼痛を、内臓腫瘍では腹部膨満・嘔吐・下痢・呼吸困難・リンパ節腫大などの非特異的症状を呈する。傍腫瘍症候群として高カルシウム血症(リンパ腫・肛門周囲腺癌)や低血糖(インスリノーマ)を合併することがある。
原因
ハリネズミにおけるリンパ腫の原因: 癌遺伝子・腫瘍抑制遺伝子の遺伝子変異蓄積による腫瘍性形質転換。加齢、慢性炎症、ウイルス感染、ホルモン影響、UV曝露、遺伝的素因がリスク因子。
病態生理
リンパ腫はハリネズミにおける腫瘍性疾患である。癌遺伝子、腫瘍抑制遺伝子、DNA修復機構における遺伝子変異の蓄積により腫瘍性形質転換が生じる。制御不能な細胞増殖により腫瘍が形成され、局所組織への浸潤・破壊の可能性がある。悪性腫瘍はリンパ行性または血行性に転移しうる。高カルシウム血症、悪液質、免疫調節障害などの腫瘍随伴症候群が原発腫瘍に伴い、罹患率に寄与することがある。
診断
腫大リンパ節のFNA細胞診でモノクローナルなリンパ球集団(大型・分裂像多数)を検出。リンパ節切除生検・病理組織検査で確定診断、免疫組織化学でB/T細胞分類。CBC・血液生化学で異常リンパ球の末梢血出現(白血病化)・高Ca血症・LDH上昇を評価。胸部X線で縦隔リンパ節腫大・胸水を確認。腹部超音波で肝脾腫大・腹腔内リンパ節腫大を評価。イソフルラン鎮静下で全身のリンパ節を系統的に触診。骨髄穿刺で骨髄浸潤を評価
治療
ハリネズミのリンパ腫: ハリネズミの体格に合わせた修正CHOPプロトコル - ビンクリスチン(0.5-0.7mg/m2 IV)、シクロホスファミド(200-250mg/m2 PO)、ドキソルビシン(1mg/kg IV)。多剤化学療法を希望しない場合はプレドニゾロン単独(1-2mg/kg PO SID)が緩和的選択肢。CBC・X線・腹部超音波でステージング。処置にはイソフルラン麻酔。メロキシカム(0.2mg/kg PO SID)で疼痛管理。栄養サポートと骨髄抑制のモニタリング。
予防
リンパ腫の予防は限定的であるが、ホルモン依存性腫瘍軽減のための避妊・去勢手術、既知の発癌物質の回避、早期発見のための定期健診、適正体型の維持、該当する場合は遺伝的素因軽減のための責任ある繁殖が含まれる。
予後
リンパ腫の予後: 腫瘍の種類、病期、転移の有無により予後は大きく異なる。早期発見・早期治療で予後改善。悪性腫瘍は一般的に予後要注意〜不良。
関連する薬品
※ 薬品名をクリックすると詳細な投与量・副作用情報を確認できます
腫瘍の他の疾患(ハリネズミ)
VetDictでハリネズミの鑑別診断を行う
症状チェッカーを使う関連する疾患
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。