尿路感染症
概要
モルモットにおける細菌性の泌尿器系疾患。尿路感染症は適切な診断と治療管理が重要である。早期発見と適切な介入が予後改善の鍵となる。
主な症状
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臨床徴候
モルモットにおける尿路感染症の臨床徴候は感染部位と病原体特性により多様だが、共通所見として発熱・元気消失・食欲不振・体重減少が認められる。局所感染では発赤・腫脹・疼痛・排膿を、全身感染では脱水・敗血症・多臓器不全に進展しうる。幼若・高齢・免疫抑制状態は重症化リスクが高く、早期介入が予後改善に直結する。
原因
モルモットにおける尿路感染症の原因: 大腸菌等の上行性細菌感染が主因。尿路結石の併発、不衛生な飼育環境、水分摂取不足がリスク因子。雌に多く、膀胱炎から腎盂腎炎に進行することがある。
病態生理
尿路感染症はモルモットにおける細菌感染症である。病原菌(主に大腸菌)は尿道を上行して膀胱粘膜にコロニーを形成し、炎症反応を引き起こす。尿路結石の併発が粘膜損傷と細菌定着を促進する。感染が上行すると腎盂腎炎に進行し、腎実質の破壊と腎機能障害を引き起こしうる。
診断
尿検査(試験紙・沈渣)で血尿・膿尿・細菌尿を確認。モルモットの正常尿は白濁(炭酸カルシウム結晶排泄)のため外観だけでは判断困難。尿培養・感受性試験が確定診断と抗菌薬選択に必須。腹部X線で尿路結石を除外(モルモットはカルシウム系結石が多い)。腹部超音波で膀胱壁肥厚・腎盂拡張を評価。CBC・生化学(BUN/Cre)で腎機能評価。抗菌薬はTMS・エンロフロキサシンが第一選択(ペニシリン系禁忌)
治療
【モルモットの尿路感染症】■病態: E. coli, Proteus, Staphylococcus。雌に多い。膀胱結石合併多い(カルシウム系結石)。■症状: 血尿、排尿困難、頻尿、尿やけ(会陰部皮膚炎)。■診断: 尿検査(培養・感受性)。X線(結石評価—カルシウム系はX線不透過)。超音波。■治療: エンロフロキサシン 5-10 mg/kg PO q12h×14日。トリメトプリム-スルファ 30 mg/kg PO q12h。鎮痛: メロキシカム 0.2-0.5 mg/kg PO q24h。結石→外科的除去(膀胱切開)。食餌: 低Ca食(アルファルファ→チモシーに変更)。ビタミンC。水分摂取促進。■禁忌: ペニシリン系。■予後: UTIのみ→良好。結石→外科後も再発リスク。■参考文献: Quesenberry & Carpenter 2012; Hawkins et al. 2009 Vet Clin Exot Anim
予防
モルモットにおける尿路感染症の予防は適切なワクチネーションプログラムの実施が中核である(利用可能な場合)。衛生的飼育環境の維持、新規導入動物の検疫期間設定(最低14日、感染症によっては60日以上)、過密飼育の回避、適切な栄養管理による免疫力維持、ストレス軽減が重要。感染動物との接触回避、汚染器具・環境の消毒(次亜塩素酸・アルコール系・第四級アンモニウム製剤を病原体に応じて選択)を徹底する。定期的健康診断による早期発見と治療が蔓延防止に寄与する。
予後
モルモットにおける尿路感染症の予後は病原体の毒力・宿主免疫状態・治療開始時期・基礎疾患の有無により大きく異なる。早期診断と適切な抗病原体療法・支持療法により多くの感染症は良好な予後となる。宿主の免疫抑制・若齢・高齢・多臓器不全併発例は予後不良となりうる。再発・慢性化・薬剤耐性発現も予後に影響する重要因子である。
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