サルモネラ症
概要
敗血症を引き起こす重篤な細菌感染症で、人への感染リスクもあります。
主な症状
※ 症状をクリックすると、その症状を示すモルモットの他の疾患を確認できます
臨床徴候
モルモットにおけるサルモネラ症の臨床徴候は感染部位と病原体特性により多様だが、共通所見として発熱・元気消失・食欲不振・体重減少が認められる。局所感染では発赤・腫脹・疼痛・排膿を、全身感染では脱水・敗血症・多臓器不全に進展しうる。幼若・高齢・免疫抑制状態は重症化リスクが高く、早期介入が予後改善に直結する。
原因
モルモットにおけるサルモネラ症の原因: 創傷汚染、経口摂取、吸入、日和見的過剰増殖による細菌コロニー形成。ストレス、免疫抑制、不衛生、過密飼育、併発疾患が素因となる。
病態生理
モルモットのサルモネラ症はSalmonella enterica(特にS. Typhimurium、S. Enteritidis)による消化管〜全身性感染。汚染飼料・野菜の摂取、野生げっ歯類の糞便汚染が感染源。急性型は敗血症→突然死、亜急性型は下痢・脾腫・肝膿瘍。モルモットはC4補体欠損で細菌感染に対する感受性が高い。【人獣共通感染症】ヒトへの感染リスク (Percy DH & Barthold SW. 2016)。
診断
糞便培養(選択培地:SS寒天・XLD寒天)でSalmonella spp.を分離。血液培養(敗血症疑い時)。CBC(好中球増多または減少・左方移動)・血液生化学(肝酵素上昇・電解質異常)。腹部超音波で肝脾腫・腸管壁肥厚を確認。剖検では肝臓・脾臓の壊死巣が特徴的。鑑別:エルシニア症、大腸菌性腸炎、C. difficile。人獣共通感染症のため取扱い注意。急性型は敗血症で突然死あり。
治療
モルモットにおけるサルモネラ症の治療: ① 健常成獣の無症候性キャリアは抗菌薬を控え自然排菌待ち(抗菌薬は耐性化・キャリア化リスク)。② 重症臨床例(敗血症・下血・脱水)には培養感受性後の抗菌薬: エンロフロキサシン 10-20 mg/kg PO/IM q12-24h(鳥類)/ 5-10 mg/kg PO q12-24h(小型哺乳類) × 14-21日、または トリメトプリム・スルファ 15-30 mg/kg PO q12h。③ 輸液療法 + 電解質補正、制吐・止瀉対症療法。④ ⚠人獣共通感染症—家族(特に小児・免疫不全者)の手洗い・接触予防徹底。⑤ 環境消毒は塩素系(次亜塩素酸 1:10)または過酢酸が有効。⑥ 群飼育では感染源(飼料・水・媒介動物)の検索と隔離。
予防
サルモネラ症の予防には適切な衛生管理・消毒、利用可能なワクチン接種、創傷の迅速な処置、ストレス軽減、適切な換気、感染動物の隔離が含まれる。
予後
サルモネラ症の予後: 早期発見と適切な治療で多くの疾患は予後良好。慢性疾患は定期的モニタリングと治療調整で長期管理可能。
関連する薬品
※ 薬品名をクリックすると詳細な投与量・副作用情報を確認できます
感染症の他の疾患(モルモット)
VetDictでモルモットの鑑別診断を行う
症状チェッカーを使う関連する疾患
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。