リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス
概要
人にも感染可能なウイルス感染症で、モルモットでは無症状のことが多い。
主な症状
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臨床徴候
モルモットにおけるリンパ球性脈絡髄膜炎の臨床徴候は罹患部位(前脳・脳幹・小脳・脊髄・末梢神経)により局在化所見を示す。前脳: 発作・行動変化・盲目・周徊・運動失調。脳幹: 脳神経障害・運動失調・意識障害。小脳: 企図振戦・低測定運動失調・広基歩行。脊髄: 四肢麻痺/対麻痺・排尿障害・反射異常(病変高位で異なる)。末梢神経: 筋萎縮・反射低下・遠位部優位の弛緩性麻痺。
原因
モルモットのリンパ球性脈絡髄膜炎はLCMウイルス(アレナウイルス)の感染による。保菌げっ歯類の尿・糞・唾液を介して伝播する人獣共通感染症。
病態生理
モルモットのリンパ球性脈絡髄膜炎(LCMV)はアレナウイルスによる感染で、モルモットはハムスターと同様にLCMVのキャリアとなりうる。マウス・ハムスターが自然宿主で、尿・唾液・糞便中にウイルスを排出。モルモットでは通常無症候だが、免疫不全個体では臨床発症しうる。【重要な人獣共通感染症】ヒトへの感染→インフルエンザ様症状→髄膜炎。妊婦への感染は胎児水頭症・脈絡網膜炎を引き起こし特に危険 (Fischer SA et al. N Engl J Med 2006;354:2235-2249)。
診断
血清学的検査(IFA法・ELISA法)でLCMV抗体を検出。RT-PCRによるウイルスRNA検出(血液・臓器)。ヒトへの人獣共通感染症リスクがあるため取扱い注意。CBC(リンパ球増多)・血液生化学。神経症状(振戦・痙攣・運動失調)の有無を確認。無症候性キャリアが多い(持続感染)。鑑別:中耳炎による斜頸、脳炎(細菌性)、外傷性脊髄損傷。野生マウスとの接触歴を確認。
治療
【モルモットにおけるリンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス】 リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルスは培養感受性試験を診療指針とし、empiricalにはエンロフロキサシン 5-15 mg/kg PO/IM q12-24h またはアモキシシリン・クラブラン酸 12.5-25 mg/kg PO q12h(小型哺乳類除く)を開始。 膿瘍形成例は外科的切開・排膿・洗浄(生食または0.05%クロルヘキシジン)が抗菌薬単独より治癒率高い。 発熱・全身症状時は炎症マーカー(SAA、CRP)と血液培養。 再発リスクの高い症例ではバイオフィルム形成菌(Pseudomonas, Staphylococcus pseudintermedius MRSP)を疑い、長期抗菌薬を6-8週継続。 支持療法(小型哺乳類): 等張輸液 80-100 mL/kg/日 SC/IV、保温(26-28℃)、シリンジ給餌(Critical Care/Recovery 50-90 mL/kg/日を3-4回分割)、メロキシカム 0.5-1.0 mg/kg PO q12-24h で疼痛・炎症管理。 経口ペニシリン・アンピシリン・セファロスポリンは禁忌(Clostridium difficile腸炎を誘発)。 【鑑別と経過観察】類似症候を呈する疾患の除外と、治療4-8週後の再評価が予後改善の鍵。重症度・併発症によってはモルモットの専門医紹介を考慮する。
予防
モルモットにおけるリンパ球性脈絡髄膜炎の予防は原因病態によって異なる。感染性脳炎: 適切なワクチネーション(特に狂犬病・ジステンパー・FIP予防)と媒介動物制御。特発性てんかん: 遺伝性素因品種の繁殖管理。認知機能不全症候群: 知的刺激の提供、適度な運動、抗酸化サプリメント、SAMe等の補完療法。外傷性脳脊髄損傷: 交通事故・落下事故予防、適切な飼育環境。中毒予防: 環境管理。
予後
ウイルスの種類と宿主免疫により異なる。軽症感染は支持療法で自然治癒することが多い。重症全身性ウイルス感染は予後要注意〜不良。
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