包皮嵌頓
概要
陰茎が包皮内に還納不能→包皮輪による絞扼→静脈還流障害→浮腫・うっ血→悪循環→放置で陰茎壊死。数時間以内の処置が必要。
主な症状
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臨床徴候
犬における嵌頓包茎の臨床徴候は病態と進行段階により多様である。一般的非特異的所見(食欲不振・元気消失・体重減少)に加え、罹患臓器・系統に特異的な症状が顕在化する。病歴聴取と詳細な身体検査により症状パターンを把握し、補助検査で確定診断に至る。早期発見と適切な介入が予後改善の鍵となる。
原因
持続性勃起(プリアピズム)、包皮口狭窄(先天性/瘢痕性)、毛根環(hair ring)による絞扼、包皮内異物、外傷、交尾後。
病態生理
勃起後または包皮の狭窄→陰茎が包皮内に還納不能→包皮輪による陰茎の絞扼→静脈還流障害→陰茎の浮腫・うっ血→さらなる還納困難の悪循環→放置すると陰茎組織の壊死・尿道閉塞。乾燥による粘膜損傷も進行。数時間以内の処置が必要。
診断
包皮内に還納できない陰茎の露出状態。陰茎の腫脹・乾燥・チアノーゼが進行。包皮口・陰茎の視診で毛の絡まり、包皮狭窄、腫瘤を確認。陰茎のうっ血・乾燥・壊死の程度を評価。潤滑ゼリー+用手整復を試みる。整復困難: 包皮切開または浸透圧脱水(高張糖溶液による浮腫軽減)。基礎疾患: 包皮狭窄、陰茎腫瘤、外傷後瘢痕、神経損傷。
治療
緊急(壊死予防のため数時間以内に処置)。1. 浮腫軽減:50%ブドウ糖液または高浸透圧生食を陰茎に10-20分間塗布(浸透圧で間質液除去)。2. 潤滑剤:水溶性潤滑剤(KYゼリー等)を陰茎と包皮口に塗布。3. 用手整復:包皮を前方に転がしながら陰茎に後方圧(力任せに押し込まない)。4. 毛根環:被毛の下を仔細に検索、ハサミで切断。5. 浮腫高度・整復不能:海綿体穿刺(18G針、0.5-1 mL生食フラッシュ)または鎮静下での包皮弛緩切開。6. 壊死時:陰茎切断+陰嚢部尿道造設術。7. 整復後:巾着縫合(一時的な包皮口縮小)またはエリザベスカラー。プリアピズム:ブロモクリプチン;テストステロン性:去勢手術。
予防
未去勢雄の交尾後の包皮内陰茎確認。包皮周囲の毛のトリミング(毛根環予防)。テストステロン性プリアピズムへの早期去勢。
予後
1-2時間以内の処置で予後は優良。壊死確立後は陰茎切断が必要(予後は機能的には生存可能)。毛根環は除去後に予後優良。
関連する薬品
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