水腎症
概要
尿管閉塞による腎盂拡張で、進行性の腎障害を引き起こします。
主な症状
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臨床徴候
チンチラにおける水腎症の臨床徴候は病態と進行段階により異なる。慢性腎臓病: 多飲多尿・体重減少・食欲不振・嘔吐・口臭・脱水(早期は無症候)。急性腎障害: 無尿/乏尿・嘔吐・元気消失・電解質異常。下部尿路疾患(FLUTD/FIC): 頻尿・排尿困難・血尿・排尿時痛・不適切排尿、雄では尿閉(緊急)。尿路感染: 頻尿・血尿・濁尿・発熱(腎盂腎炎時)。
原因
チンチラの泌尿器系に影響する正確な原因は不明または多因子性。遺伝的素因・環境因子・免疫調節異常・不顕性感染・代謝障害が寄与因子として考えられる。個々の症例での主原因特定にはさらなる調査が必要。
病態生理
チンチラの泌尿器系に影響する正確な病態生理は完全には解明されていない。遺伝的素因・環境因子・免疫調節異常を含む多因子性メカニズムが関与すると考えられる。泌尿器系組織における炎症性・代謝性・構造的変化が進行性の臨床徴候をもたらす。チンチラにおける疾患メカニズムの完全な解明にはさらなる研究が必要。
診断
腹部超音波で腎盂の拡張・実質菲薄化を確認し重症度を評価。対側腎の状態も必ず確認(代償性肥大の有無)。血液生化学でBUN(正常値15-40 mg/dL)・Cre(正常値0.4-1.1 mg/dL)・電解質を測定。尿検査で尿比重・蛋白尿・細菌尿を評価。腹部X線・CTで尿管結石・腫瘤による閉塞原因を検索。尿培養で二次感染を確認。チンチラは尿路結石の発生も報告されており、X線不透過性結石の有無をX線で確認。排尿パターンの変化を聴取
治療
閉塞の特定と解除:腎超音波で水腎症の重症度(グレードI-IV)を評価し閉塞レベルを特定(尿管結石、尿管狭窄、後腹膜腫瘤)。片側性:対側腎が代償していれば経時的モニタリングによる保存的管理が適切な場合あり。両側性または重度:外科的介入適応 — 尿管結石に対する尿管切開術、緊急減圧のための腎瘻チューブ、非機能腎の腎摘出(先に対側腎機能を確認)。術前安定化:SC/IV輸液(LRS 20-40 mL SC q12hまたは5-10 mL/kg/hr IV);高窒素血症/電解質不均衡を是正。疼痛管理:メロキシカム 0.2-0.5 mg/kg PO/SC q24h(高窒素血症時は慎重に使用 — 腎値をモニタリング);ブプレノルフィン 0.01-0.05 mg/kg SC q8-12h。UTI併発時:エンロフロキサシン 5-15 mg/kg PO q12hまたはトリメトプリム-スルファ 15-30 mg/kg PO q12h(尿培養からC&S)。経口ペニシリン系/エリスロマイシンは絶対に使用しない。食事管理:アルファルファからチモシー干草に切替(食事性カルシウム削減 — シュウ酸カルシウムと炭酸カルシウムがチンチラの一般的な尿石);飲水量促進(毎日確認する新鮮な給水ボトル、水皿の追加を検討)。BUN/クレアチニン、尿比重、腎超音波を2-4週毎にモニタリング。摘出した結石はミネラル分析に提出。参考:Quesenberry & Carpenter 4th ed; Mans & Donnelly, Disease Problems of Chinchillas.
予防
予防には適切な飼育管理(適切な食事・清潔な環境・最適な温湿度);定期的な獣医師の健康診断;新規動物の検疫;ストレス軽減;種特異的予防措置が含まれる
予後
特発性疾患の予後は個々の症例により変動する。自然寛解する場合もあるが、慢性再発性の経過をたどることもある。対症療法と支持療法が治療の中心。定期的な再評価により治療方針を調整する。
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