伝染性喉頭気管炎
概要
ニワトリヘルペスウイルス1型による出血性喉頭気管炎で、重度呼吸困難と高致死率を示す。
主な症状
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臨床徴候
鳥における伝染性喉頭気管炎の臨床徴候は感染部位と病原体特性により多様だが、共通所見として発熱・元気消失・食欲不振・体重減少が認められる。局所感染では発赤・腫脹・疼痛・排膿を、全身感染では脱水・敗血症・多臓器不全に進展しうる。幼若・高齢・免疫抑制状態は重症化リスクが高く、早期介入が予後改善に直結する。
原因
鳥における伝染性喉頭気管炎(重度)の原因: ニワトリヘルペスウイルス1型による出血性喉頭気管炎で、重度呼吸困難と高致死率を示す。
病態生理
伝染性喉頭気管炎(ILT)はGallid alphaherpesvirus 1(GaHV-1)による鶏・キジの急性上部気道感染症。経気道感染→喉頭・気管粘膜上皮で増殖→出血性壊死性気管炎→気管内偽膜形成→気道閉塞→窒息死。核内好酸性封入体(Cowdry A型)が気管上皮細胞に観察される病理学的特徴。三叉神経節に潜伏感染し、ストレス時に再活性化→ウイルス排出→集団内再拡散。ペット鶏・家庭養鶏での散発的アウトブレイクが問題。届出伝染病(日本の家畜伝染病予防法) (Garcia M & Spatz SJ. Avian Pathol 2021;50:2-16)。
診断
呼吸困難・血様気管分泌物・開口呼吸の臨床評価。気管の視診で出血性炎症・偽膜形成を確認。ILTV特異的PCR検査(気管スワブ)でGallid herpesvirus 1を検出。CBC(採血量≤体重の1%)でヘテロフィル変動を確認。気管洗浄液の細胞診でヘテロフィル浸潤・核内封入体を検索。病理組織検査で気管上皮の壊死・合胞体形成・Cowdry A型核内封入体を確認。鳥類のILTは鶏に特異的なヘルペスウイルス感染症で、潜伏感染鳥が間欠的に排出する
治療
【鳥における伝染性喉頭気管炎(重度)】 伝染性喉頭気管炎(重度)は培養感受性試験を診療指針とし、empiricalにはエンロフロキサシン 5-15 mg/kg PO/IM q12-24h またはアモキシシリン・クラブラン酸 12.5-25 mg/kg PO q12h(小型哺乳類除く)を開始。 膿瘍形成例は外科的切開・排膿・洗浄(生食または0.05%クロルヘキシジン)が抗菌薬単独より治癒率高い。 発熱・全身症状時は炎症マーカー(SAA、CRP)と血液培養。 再発リスクの高い症例ではバイオフィルム形成菌(Pseudomonas, Staphylococcus pseudintermedius MRSP)を疑い、長期抗菌薬を6-8週継続。 具体的な薬剤目安: Enrofloxacin 15 mg/kg IM。 支持療法(鳥類): 保温28-30℃(重症は30-32℃)、皮下/骨内輸液 50-100 mL/kg/日 (温乳酸リンゲルまたはノルモソルR)、強制給餌(Emeraid Omnivore/Carnivoreなど 20-30 mL/kg q4-6h)、酸素分圧40%以下を維持しつつ呼吸補助。 【鑑別と経過観察】類似症候を呈する疾患の除外と、治療4-8週後の再評価が予後改善の鍵。重症度・併発症によっては鳥の専門医紹介を考慮する。
予防
伝染性喉頭気管炎(重度)の予防にはワクチン接種(利用可能な場合)、新規・病気動物の隔離、厳格なバイオセキュリティ対策、適切な消毒プロトコル、既知のキャリアや汚染環境との接触回避が含まれる。
予後
伝染性喉頭気管炎(重度)の予後: 軽度の上部気道感染は治療に良好に反応。肺炎は早期治療で予後改善。慢性呼吸器疾患は長期管理が必要。
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