血管肉腫
概要
血管内皮の悪性腫瘍で、出血と転移を引き起こす。
主な症状
※ 症状をクリックすると、その症状を示す鳥の他の疾患を確認できます
臨床徴候
鳥における血管肉腫の臨床徴候は罹患臓器と腫瘍の種類により多様。一般的所見: 進行性の腫瘤形成・体重減少・食欲不振・元気消失・貧血。体表腫瘤では触知可能な腫脹・疼痛を、内臓腫瘍では腹部膨満・嘔吐・下痢・呼吸困難・リンパ節腫大などの非特異的症状を呈する。傍腫瘍症候群として高カルシウム血症(リンパ腫・肛門周囲腺癌)や低血糖(インスリノーマ)を合併することがある。
原因
鳥における血管肉腫の原因: 癌遺伝子・腫瘍抑制遺伝子の遺伝子変異蓄積による腫瘍性形質転換。加齢、慢性炎症、ウイルス感染、ホルモン影響、UV曝露、遺伝的素因がリスク因子。
病態生理
血管肉腫は鳥における腫瘍性疾患である。癌遺伝子、腫瘍抑制遺伝子、DNA修復機構における遺伝子変異の蓄積により腫瘍性形質転換が生じる。制御不能な細胞増殖により腫瘍が形成され、局所組織への浸潤・破壊の可能性がある。悪性腫瘍はリンパ行性または血行性に転移しうる。高カルシウム血症、悪液質、免疫調節障害などの腫瘍随伴症候群が原発腫瘍に伴い、罹患率に寄与することがある。
診断
身体検査で皮膚・内臓の暗赤色腫瘤・体腔内出血を評価。腹部X線で脾臓・肝臓の腫大・体腔液貯留を確認。超音波検査で実質臓器内の低エコー腫瘤を検索。CBC(採血量≤体重の1%)でPCV低下(<35%、出血性貧血)・再生性貧血(多染性赤血球)を確認。血液生化学でTP低下・肝酵素上昇を評価。体腔液分析で血性漏出液を確認し細胞診で悪性紡錘形細胞を検索。外科的生検・病理組織検査で第VIII因子・CD31陽性を確認し確定。全身X線で肺転移を評価
治療
急性出血時は保温、酸素供給、静脈輸液による緊急安定化。腫瘤が切除可能であればイソフルラン麻酔下での外科的切除(注意深い止血を伴う);術中出血リスクが高い。メロキシカム(0.5-1 mg/kg PO q12-24h)による疼痛管理。鳥類血管肉腫における化学療法データは極めて限定的。手術不能例や転移例には緩和ケア。
予防
血管肉腫の予防は限定的であるが、ホルモン依存性腫瘍軽減のための避妊・去勢手術、既知の発癌物質の回避、早期発見のための定期健診、適正体型の維持、該当する場合は遺伝的素因軽減のための責任ある繁殖が含まれる。
予後
血管肉腫の予後: 腫瘍の種類、病期、転移の有無により予後は大きく異なる。早期発見・早期治療で予後改善。悪性腫瘍は一般的に予後要注意〜不良。
関連する薬品
※ 薬品名をクリックすると詳細な投与量・副作用情報を確認できます
腫瘍の他の疾患(鳥)
VetDictで鳥の鑑別診断を行う
症状チェッカーを使う関連する疾患
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。