ビタミンE欠乏症
概要
ビタミンE欠乏による筋ジストロフィーと神経症状。
主な症状
原因
両生類におけるビタミンE欠乏症の原因: ビタミンE欠乏による筋ジストロフィーと神経症状。
病態生理
ビタミンE欠乏症は両生類における栄養障害である。特定の栄養素の不十分な摂取、吸収不良、または過剰摂取により生じる。欠乏状態では、影響を受けた栄養素を補因子または基質として必要とする生化学的経路が障害され、細胞機能障害を引き起こす。過剰状態では組織への蓄積や栄養素間相互作用の障害により毒性が生じる。種特異的な食事要求により、適切な栄養管理が予防に不可欠である。
治療
両生類ビタミンE欠乏症の治療 — 低ビタミンE症は膜リン脂質の脂質過酸化を引き起こし、脂肪織炎、白筋症(栄養性筋ジストロフィー)、神経変性、繁殖障害を招く。酸化した脂肪を含む魚ベース食(特に長期冷凍保存した餌魚)や多様性を欠く食餌を給餌された両生類で最多。セレンとの相互作用が重要 — 併発するSe欠乏はE欠乏を増悪(両者ともグルタチオンペルオキシダーゼ抗酸化系の構成要素)。【1】診断: 臨床症状は脱力、嗜眠、筋振戦、遊泳困難、運動拒否;重症例では後肢不全麻痺、運動失調;生化学でCKとASTが上昇;筋肉組織病理で硝子様変性、石灰化を認める(脂肪織炎は黄褐色脂肪沈着「黄色脂肪症」を呈す);血清ビタミンE <3 µg/mLは欠乏を示唆(種特異的参照範囲は限定的)。食事歴: 3ヶ月超保存の冷凍餌魚、シラウオ/イワシのみの単食、多様性欠如。【2】第一選択補給: ビタミンE(α-トコフェロール)100-200 IU/kg POまたは局所塗布(両生類の経皮吸収有効) q7d × 4-6週間;重症例にはビタミンE-セレン注射(E-Sel、Se換算0.06 mg/kg)IM単回 — セレンは安全域狭く注意;またはEmeraid Piscivore(バランスのとれたE/Se含有)を単独食として × 4週間経口補給。【3】食事補正(長期): (a) 保存冷凍魚を新鮮な生餌(ミミズ、コオロギ、カイコ幼虫、Dubiaゴキブリ)に置換; (b) 魚給餌必須時は冷凍保存3ヶ月未満の解凍直後のものを使用し、悪臭や脂肪黄変のあるものは廃棄; (c) 魚食を多様性のため強化昆虫で補完; (d) 強制給餌前にビタミンE粉末10 IU/gを1週間飼料に添加; (e) 魚食性種(アフリカツメガエル、水棲イモリ)には抗酸化剤添加の市販ペレット食(Mazuri水棲両生類食)使用。【4】支持療法: 食欲不振時はCritical Care肉食動物用体重の2-3% q24h栄養支援;脱水には両生類リンゲル液;脆弱個体には理学療法(受動的ROM);筋肉回復支援のためPOTZ上限に加温。【5】予防 — 飼育環境レビュー: (a) 3ヶ月超の冷凍餌魚廃棄; (b) -20℃以下で保管; (c) 月1回ビタミンE/Se混合補給; (d) 単食品食回避; (e) 飼育下繁殖両生類には抗酸化剤含有市販ペレット食(Mazuri、Zeigler)。【6】予後: 早期発見で良好(補給開始後2-4週で脱力改善);確立した神経症状や繁殖障害を伴う重症例では予後中等度;慢性進行例では筋損傷が永続的となりうる。参考文献: Wright & Whitaker 2001, Pessier 2013, Ferrie et al. 2014 JZWM(両生類栄養学), McWilliams 2005(エキゾチック爬虫両生類栄養学)。
予防
ビタミンE欠乏症の予防には全ての栄養要求を満たす種に適した食事設計、単一食品のみの食事の回避、獣医師との定期的な食事内容の見直し、必要時の適切なサプリメンテーション、種固有の栄養ニーズに関する知識が必要である。
予後
ビタミンE欠乏症の予後: 早期治療で多くは良好。定期モニタリングで管理可能。
関連する薬品
※ 薬品辞書で詳細な投与量・副作用情報を確認できます
その他の他の疾患(両生類)
VetDictで両生類の鑑別診断を行う
症状チェッカーを使う関連する疾患
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。