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両生類 (Amphibian) 呼吸器 中等度

ラブディアス肺虫症

Rhabdias Lungworm / ラブディアス肺虫症

概要

カエル・ヒキガエルの肺のラブディアス属肺虫。

主な症状

無気力 開口呼吸 呼吸窮迫 体重減少

原因

両生類におけるラブディアス肺虫症の原因: カエル・ヒキガエルの肺のラブディアス属肺虫。

病態生理

ラブディアス肺虫症は両生類における寄生虫疾患である。寄生虫は経口摂取、経皮的侵入、またはベクター媒介伝播を通じて感染を確立する。抗原変異、免疫調節、細胞内隔離により宿主の免疫防御を回避しながら、宿主の栄養と資源を利用して増殖する。組織損傷は寄生虫の直接的な摂食、機械的破壊、有毒代謝副産物、宿主の炎症・免疫応答に起因する。重度の寄生虫感染は貧血、栄養失調、臓器機能障害、二次感染を引き起こしうる。

治療

両生類ラブディアス肺虫症の治療 — Rhabdias属はカエル・ヒキガエル類の肺線虫として世界で最も一般的(特に野生捕獲のウシガエル、イエアメガエル、アフリカツメガエル、土壌床材で飼育される陸生種)。土壌内に自由生活世代を持つ直接生活環により、環境管理を怠れば再感染が必発。【1】診断: 新鮮糞便のBaermann沈殿法がゴールドスタンダード(虫卵または特徴的なラブディトイド食道を持つL1-L3幼虫を検出);直接糞便浮遊法(砂糖またはZnSO4)は虫卵検出可だが感度低い。MS-222麻酔下で細いカテーテルを用いた経気管/肺洗浄(0.1-0.3 mL滅菌食塩水少量灌流)で成虫、L3幼虫、虫卵を回収。レントゲンでは重度感染で瀰漫性間質パターンまたは肺結節影。臨床所見: 開口呼吸、口呼吸、皮膚呼吸依存、体重減少、嗜眠、末期には泡沫状口腔分泌物。【2】第一選択駆虫薬: レバミゾール10 mg/kg ICeまたは局所塗布 q14d × 2-3回 — 局所塗布は両生類の経皮吸収を活用し注射ストレスを回避(Wright 2001)。代替: フェンベンダゾール50-100 mg/kg PO q24h × 3-5日間、14日後反復 — 被嚢幼虫に有効だが経口投与が必要。イベルメクチンはカメ類感受性種や無尾両生類では体重ベース用量設定なしでは回避。モキシデクチン0.2 mg/kg局所塗布は有効だが、ヤドクガエル科(Dendrobatidae)や繊細な種では神経毒性のため禁忌。【3】複数治療サイクルが通常必要 — Rhabdiasは自己感染を伴う直接生活環を持つため単回投与プロトコルはしばしば失敗。4-6週間で2-3回の治療ラウンドを計画し、投与間にBaermann糞便検査を実施。【4】環境管理(根治に必須): 床材(バーク、ミズゴケ、土壌は自由生活幼虫の温床)の完全交換;ケージ備品をオートクレーブまたは次亜塩素酸1:32 × 10分で消毒後十分に洗浄;治療期間中は非多孔性床材(ペーパータオル、爬虫類用カーペット)に切り替え;48-72時間の乾燥期間で土壌幼虫を死滅;湿潤微小環境を防ぐため高い排水性を維持。環境介入なしでは2-3週間以内の再感染がほぼ必発。【5】コホート治療: 無症候性排菌個体が感染を永続化するため同居個体は全頭同時治療;新規野生捕獲両生類は既存コレクションへの導入前にBaermannスクリーニングを伴う隔離を実施。【6】重度感染例の支持療法: 可能なら酸素投与(両生類の皮膚呼吸により通常不要)、脱水患者に両生類リンゲル液 ICe 25-50 mL/kg q24h、体重減少にはミミズスラリー強制給餌、免疫機能最適化のためPOTZ維持。【7】経過観察: 14日目、28日目、42日目にBaermann糞便検査;治療終点は2週間間隔の連続2回陰性。治療後の飼育環境レビューが必須 — 不十分な環境衛生が治療失敗の最大原因。参考文献: Wright & Whitaker 2001 Amphibian Medicine & Captive Husbandry, Mader & Divers 2013 Reptile and Amphibian Medicine and Surgery, Pessier 2013 Vet Clin Exot Anim, Poynton & Whitaker 2001。

予防

ラブディアス肺虫症の予防には定期的な予防駆虫、環境衛生と糞便除去、新規動物の隔離・検査、ベクター防除、中間宿主や汚染環境への曝露回避が含まれる。

予後

ラブディアス肺虫症の予後: 早期治療で多くは良好。定期モニタリングで管理可能。

関連する薬品

💊 イベルメクチン 💊 フェンベンダゾール 💊 モキシデクチン

※ 薬品辞書で詳細な投与量・副作用情報を確認できます

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