💊 フィゾスチグミン
Physostigmine / フィゾスチグミン
作用機序
可逆的アセチルコリンエステラーゼ阻害薬。第三級アミンであるため(第四級アミンのネオスチグミンと異なり)血液脳関門を通過し、中枢・末梢両方の抗ムスカリン作用を拮抗する。このCNS移行性こそが抗コリン中毒の解毒薬として使われる根拠である。
Reversible acetylcholinesterase inhibitor that is a TERTIARY amine — unlike neostigmine (quaternary) it crosses the blood-brain barrier, so it reverses both central and peripheral antimuscarinic effects. This CNS penetration is the entire rationale for its use as the antidote for anticholinergic toxicity.
動物種別 投与量
| 動物種 | 安全性 | 用量 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 犬 Dog |
✓ 可 | 抗コリン中毒(チョウセンアサガオ・ベラドンナ系植物アルカロイド、抗ヒスタミン薬・アトロピン過量で重度CNS症状がある場合): 0.02-0.06 mg/kg を5分以上かけて緩徐静注。作用持続はわずか30-60分のため必要に応じ反復(Plumb's 10th ed; Peterson & Talcott 3rd ed)。難治性イベルメクチン/ML系昏睡: 0.06 mg/kg IV で一過性の覚醒 — 議論があり副作用率も高く、脂肪乳剤(ILE)不応の重症例に限定。 | 診断的治療トライアル: 投与後数分でのCNS抑制の改善は抗コリン中毒を強く支持する。医原性コリン作動性クリーゼに備え、投与前にアトロピンを準備しておくこと。 |
| 猫 Cat |
✓ 可 | 重度CNS症状を伴う抗コリン中毒: 0.02 mg/kg を5分以上かけて緩徐静注。作用時間が短いため慎重に反復。猫はコリン作動性副作用(流涎・徐脈)が出やすく、最小有効量を用いる。 | |
| うさぎ Rabbit |
✓ 可 | アトロピン様症状を示すナス科植物中毒 — 必要となるのは稀: 重度の中枢症状がある場合に限り 0.02-0.06 mg/kg 緩徐静注。それ以外は支持療法のみ(本辞書のウサギ植物中毒プロトコル参照)。 | |
| 鳥 Bird |
✓ 可 | 痙攣様のCNS興奮または高度の抑制を伴う抗コリン性の植物・薬物中毒: 0.02-0.06 mg/kg を監視下で緩徐静注(本辞書の鳥中毒性痙攣プロトコル参照)。有機リン・カーバメート中毒には使用しない。 | |
| インコ Parakeet |
✓ 可 | 痙攣様のCNS興奮または高度の抑制を伴う抗コリン性の植物・薬物中毒: 0.02-0.06 mg/kg を監視下で緩徐静注(本辞書の鳥中毒性痙攣プロトコル参照)。有機リン・カーバメート中毒には使用しない。 | (鳥類データから推定) |
| オウム Parrot |
✓ 可 | 痙攣様のCNS興奮または高度の抑制を伴う抗コリン性の植物・薬物中毒: 0.02-0.06 mg/kg を監視下で緩徐静注(本辞書の鳥中毒性痙攣プロトコル参照)。有機リン・カーバメート中毒には使用しない。 | (鳥類データから推定) |
禁忌・注意
🚫 有機リン・カーバメート中毒 — AChEが既に阻害された患者へのAChE阻害薬追加はコリン作動性クリーゼを誘発する(これらはアトロピン±プラリドキシムの適応)。急速静注(徐脈・気管支攣縮・痙攣)。三環系抗うつ薬過量摂取疑いでは極めて慎重に(ヒト医療で心静止の報告)。気道閉塞・喘息性気管支攣縮。
薬物相互作用
| 併用薬 | 影響 |
|---|---|
| Atropine / glycopyrrolate | 相互拮抗 — アトロピンはフィゾスチグミン誘発性コリン作動性クリーゼのレスキュー薬。必ず準備しておく |
| Succinylcholine (depolarizing NMBA) | 神経筋遮断の著明な延長(AChE阻害によりサクシニルコリン分解が遅延) |
| Organophosphates / carbamates | AChE阻害の相加 → コリン作動性クリーゼ — 禁忌の組み合わせ |
この薬が使われる疾患
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※ 本ページの用量・相互作用情報は獣医学的参考資料であり、処方の代替ではありません。投与前に必ず原典(Plumb's Veterinary Drug Handbook 等)および添付文書で再確認し、獣医師の判断のもとで使用してください。
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。
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