💊 フルシトシン(5-FC)
Flucytosine (5-FC) / フルシトシン(5-FC)
作用機序
フッ化ピリミジン。真菌のシトシンパーミアーゼで取り込まれ、菌体内で5-フルオロウラシルに脱アミノ化されて真菌のRNA/DNA合成を阻害する。哺乳類細胞はシトシンデアミナーゼをほぼ欠くため選択毒性が成立。低分子・水溶性でCNS・眼・尿への移行が極めて良好 — クリプトコッカス髄膜炎の併用療法における存在意義。単剤では急速に耐性化するため、必ずアムホテリシンB(±アゾール)と併用する。
Fluorinated pyrimidine taken up by fungal cytosine permease and deaminated intracellularly to 5-fluorouracil, disrupting fungal RNA and DNA synthesis. Mammalian cells largely lack cytosine deaminase (selective toxicity). Excellent CNS/ocular/urine penetration (small, water-soluble) — the basis for its role in cryptococcal meningitis combinations. Resistance emerges rapidly with monotherapy: always combine with amphotericin B (± azole).
動物種別 投与量
| 動物種 | 安全性 | 用量 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 犬 Dog |
✕ 禁忌 | 犬には禁忌: 投与開始数週間以内に大半の犬で重度の皮膚薬物反応(脱色素性・潰瘍性皮膚炎 → 中毒性表皮壊死症様反応へ進行)が発生する(Malik; Sykes)。犬のクリプトコッカス症はアムホテリシンB+アゾール併用で治療する。 | この皮膚薬物反応は犬に特異的で、獣医真菌学でフルシトシンが「猫・鳥の薬であって犬の薬ではない」とされる決定的理由。 |
| 猫 Cat |
✓ 可 | CNS/眼病変を伴うクリプトコッカス症(併用療法): 25-50 mg/kg PO q6-8h(1日総量約75-120 mg/kg分割)をアムホテリシンB±アゾール(フルコナゾール/イトラコナゾール)と併用 — 単剤使用は不可(Greene 4th ed; Sykes)。抗原価の低下まで継続。CBC(骨髄抑制)と腎数値を監視し、高窒素血症では減量(腎排泄のため、アムホテリシンによる腎障害で毒性が増強する)。 | 劇症髄膜炎でアゾール単独では不足しうるCNS移行性を補う。猫では骨髄抑制と消化器症状が用量制限毒性。 |
| 鳥 Bird |
✓ 可 | クリプトコッカス症/重度全身性真菌症の補助療法: 30-50 mg/kg PO q6-8h をアムホテリシンBまたはアゾールと併用(鳥のデータは限定的。Carpenter 6th ed は猛禽/水禽のアスペルギルス症予防として 20-30 mg/kg PO q6h を歴史的に収載)。食欲・排泄の監視と十分な水和(腎排泄)が必須。 | 鳥のアスペルギルス症では現代のアゾール(ボリコナゾール/イトラコナゾール)がほぼ置き換えており、クリプトコッカス併用療法に温存する。 |
| インコ Parakeet |
✓ 可 | クリプトコッカス症/重度全身性真菌症の補助療法: 30-50 mg/kg PO q6-8h をアムホテリシンBまたはアゾールと併用(鳥のデータは限定的。Carpenter 6th ed は猛禽/水禽のアスペルギルス症予防として 20-30 mg/kg PO q6h を歴史的に収載)。食欲・排泄の監視と十分な水和(腎排泄)が必須。 | (鳥類データから推定) 鳥のアスペルギルス症では現代のアゾール(ボリコナゾール/イトラコナゾール)がほぼ置き換えており、クリプトコッカス併用療法に温存する。 |
| オウム Parrot |
✓ 可 | クリプトコッカス症/重度全身性真菌症の補助療法: 30-50 mg/kg PO q6-8h をアムホテリシンBまたはアゾールと併用(鳥のデータは限定的。Carpenter 6th ed は猛禽/水禽のアスペルギルス症予防として 20-30 mg/kg PO q6h を歴史的に収載)。食欲・排泄の監視と十分な水和(腎排泄)が必須。 | (鳥類データから推定) 鳥のアスペルギルス症では現代のアゾール(ボリコナゾール/イトラコナゾール)がほぼ置き換えており、クリプトコッカス併用療法に温存する。 |
主な副作用
- ⚠️ 骨髄抑制(5-FU変換による用量依存性 — CBC監視)、消化器症状(嘔吐/下痢)、肝酵素上昇。犬では重度の皮膚薬物反応/中毒性表皮壊死症様反応(禁忌)
禁忌・注意
🚫 犬(重度皮膚薬物反応/TEN様反応)。単剤使用(急速な耐性化 — 必ずアムホテリシンB±アゾールと併用)。減量なしの重度腎機能障害(腎排泄)。重度の既存骨髄抑制。
薬物相互作用
| 併用薬 | 影響 |
|---|---|
| Amphotericin B | 意図されたシナジー併用だが、アムホテリシンの腎毒性でフルシトシンのクリアランスが低下し骨髄毒性が増す — 腎数値とCBCを監視し高窒素血症では減量 |
| Cytarabine | 抗真菌活性の拮抗が報告されている — 併用を避ける |
| Myelosuppressive chemotherapy | 骨髄抑制が相加的に増強 |
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※ 本ページの用量・相互作用情報は獣医学的参考資料であり、処方の代替ではありません。投与前に必ず原典(Plumb's Veterinary Drug Handbook 等)および添付文書で再確認し、獣医師の判断のもとで使用してください。
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。
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