卵関連体腔炎
概要
破裂卵胞や停滞卵による腹膜炎。
主な症状
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臨床徴候
ヘビにおける卵関連体腔炎の臨床徴候は病態と進行段階により多様である。一般的非特異的所見(食欲不振・元気消失・体重減少)に加え、罹患臓器・系統に特異的な症状が顕在化する。病歴聴取と詳細な身体検査により症状パターンを把握し、補助検査で確定診断に至る。早期発見と適切な介入が予後改善の鍵となる。
原因
ヘビにおける卵関連体腔炎の原因: 破裂卵胞や停滞卵による腹膜炎。
病態生理
卵関連体腔炎はヘビにおける外傷性・機械的疾患である。罹患組織の構造的耐性を超える外部機械的力により組織損傷が生じる。損傷は出血、浮腫、疼痛を伴う急性炎症カスケードを惹起する。重症度に応じて、血管供給の途絶による虚血、環境微生物による汚染、進行性の組織壊死が生じうる。治癒過程は止血、炎症、増殖、リモデリングの各段階を経る。
診断
超音波検査で体腔内の液体貯留と卵殻/卵内容物の散乱を確認。体腔穿刺→液分析(細胞診・培養→卵黄成分含有の炎症性滲出液を確認)。X線で残存卵殻の石灰化像を検出。CBC(著明なヘテロフィル増加→卵黄性腹膜炎)、生化学(AST上昇→多臓器炎症、総蛋白上昇→炎症性蛋白、UA上昇→腎機能障害)。卵管破裂・卵鬱滞からの二次的な卵黄漏出が最多原因。蛇ではpre-ovulatory follicular stasis(排卵前卵胞停滞)からの卵胞破裂も重要な原因。緊急外科介入が必要な場合が多い。
治療
ヘビ腹膜炎/体腔炎: ① ⚠緊急。卵関連体腔炎—卵管破裂、消化管穿孔、卵黄性腹膜炎、または血行性敗血症が主因。② 確定: 体腔穿刺(細胞診・培養)、超音波/CT、CBC・生化学。③ 緊急安定化: 温輸液(ノルモソルR 25-30 mL/kg/日 SC/ICe、ショック時はボーラス 10-20 mL/kg IV/IO)、POTZ維持(前後72時間)、酸素投与(必要時)。④ 抗菌薬(広域→培養後調整): エンロフロキサシン 5-10 mg/kg IM q24h + セフタジジム 20 mg/kg IM q72h、嫌気性菌カバー必要時はメトロニダゾール 20 mg/kg PO q24-48h。⑤ 外科治療: 探索的体腔切開→原因特定(消化管穿孔修復、卵管摘出、卵黄洗浄)、体腔洗浄(温生理食塩水)。ヘビは細長い体腔と多数の臓器(卵管×2)—切開部位は腹側鱗の正中線、術中の臓器同定が重要。⑥ 鎮痛: メロキシカム 0.2-0.5 mg/kg PO/IM q24-48h、ブプレノルフィン 0.01-0.05 mg/kg IM q12-24h、モルヒネ(亀のみ有効)0.4-1 mg/kg IM。⑦ 栄養支持: 術後はシリンジ給餌(Carnivore Care)、強制給餌は腸蠕動回復後。Mader 2019, Divers & Stahl 2019。支持療法(爬虫類): 種別POTZ(preferred optimum temperature zone)維持が免疫機能回復の前提条件。輸液 25-30 mL/kg/日 SC/ICe(ノルモソルR、温熱)、強制給餌(Carnivore Care 等)、メロキシカム 0.2-0.5 mg/kg PO/IM q24-48h(NSAID持続投与時は腎機能をモニタ)。
予防
卵関連体腔炎の予防には安全で種に適した飼育環境の整備、鋭利物・危険物の除去、適切な取り扱い技術、他の動物との接触時の監視、温度管理、落下防止策が含まれる。
予後
卵関連体腔炎の予後: 早期治療で多くは良好。定期モニタリングで管理可能。
関連する薬品
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