卵塞・難産
概要
カルシウム欠乏や環境要因により卵の排出や出産ができない状態です。
主な症状
原因
ヘビの卵塞・難産の原因:代謝性:低カルシウム血症(60-80%)、脱水、栄養不良(低タンパク食)。機械的:過大卵、卵管狭窄/癒着(先行感染)、骨盤異常。環境:産卵用床材/プライバシー不足、産卵メス用の不適切な湿度/温度、ストレス。神経筋:筋力低下(肥満/長期不動)、一次性筋症。
病態生理
ヘビの卵塞は卵管蠕動の神経筋機能不全(カルシウム依存性)または機械的閉塞で生じる。長期停滞(>2-4週)で卵管進行性拡張、血管圧迫、粘膜虚血、細菌増殖、卵管壁壊死。卵管内の殻のない卵は破裂して内容物を体腔に灑出→体腔炎・敗血症。外科的介入なしの死亡率ほぼ100%。
治療
ヘビの卵塞・難産治療:1) 安定化:温浴(至適温度 × 20-30分)、輸液(50-100 mL/kg/日 IV/IC)、鎮痛(メロキシカム0.1-0.2 mg/kg IM q48h)。2) 内科管理:グルコン酸カルシウム50-100 mg/kg IV/IC(10-15分緩徐投与)、オキシトシン1-10 IU/kg IM(非閉塞性のみ)。レントゲン/超音波で卵の動きを確認。3) 内科的管理失敗(48-72時間以内):全身麻酔(プロポフォール5-10 mg/kg IV またはアルファキサロン5-10 mg/kg IV)。手術選択肢:a) 経皮的卵吸引、b) 卵管切開術、c) 卵巣卵管摘出術(重度卵管損傷)。4) 抗菌薬:エンロフロキサシン5-10 mg/kg IM/IV q48h またはセフタジジム20-40 mg/kg IV q72h × 14-21日。5) 術後:輸液48-72時間、メロキシカム7-10日、給餌管理(給餌前に2-3週間待機)、カルシウム補給(CaCO3 25-50 mg/kg q24-48h)。
予防
種特異的な栄養要求量に基づいた適切な食事の提供が最も基本的な予防策である。商業用総合栄養食の使用、手作り食の場合は獣医栄養学専門医による栄養設計、成長期・妊娠期・高齢期に応じた栄養調整が必要である。特定の種(モルモットのビタミンC、草食動物の繊維質)の固有な栄養要求を理解し、サプリメントで補完することが重要である。
予後
適時の介入で予後良好。治療の遅延は子宮破裂、腹膜炎、母体死亡のリスクを高める。
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