脂肪腫
概要
皮下に一般的に見られる良性脂肪腫瘍。運動を妨げない限り通常問題ありません。
主な症状
原因
ハムスターにおける脂肪腫の原因: 癌遺伝子・腫瘍抑制遺伝子の遺伝子変異蓄積による腫瘍性形質転換。加齢、慢性炎症、ウイルス感染、ホルモン影響、UV曝露、遺伝的素因がリスク因子。
病態生理
脂肪腫はハムスターにおける腫瘍性疾患である。癌遺伝子、腫瘍抑制遺伝子、DNA修復機構における遺伝子変異の蓄積により腫瘍性形質転換が生じる。制御不能な細胞増殖により腫瘍が形成され、局所組織への浸潤・破壊の可能性がある。悪性腫瘍はリンパ行性または血行性に転移しうる。高カルシウム血症、悪液質、免疫調節障害などの腫瘍随伴症候群が原発腫瘍に伴い、罹患率に寄与することがある。
治療
脂肪腫はハムスターの高齢/肥満個体に多い良性脂肪腫瘍。【診断】FNA——異型性のない分化した脂肪細胞の集塊; 脂肪肉腫(稀、悪性、細胞多形性あり)との鑑別。触診: 軟らかい、境界明瞭、可動性の皮下腫瘤。【保存的管理】(多くの症例で推奨): 小型(<1cm)・緩徐増大・非疼痛性・運動/摂食障害なしなら q4-8週でサイズモニタ。飼い主に定規付き写真撮影を指導。体重管理: 高脂肪種子/おやつ(ヒマワリ種・ピーナッツ)を減らし、新鮮野菜を増やし、十分な運動(ソリッドサーフェスホイール)確保。【外科切除適応】大型(>2cmまたは体重の>10%)、急速増大、運動/回し車使用障害、摩擦部位での潰瘍化、FNAで脂肪肉腫疑い。手技: イソフルラン麻酔(チャンバー導入)、被膜化された腫瘤の鈍的剥離(脂肪腫は容易にenucleation可能)、栄養血管結紮、皮下5-0吸収糸→皮膚6-0吸収糸またはティッシューグルー。術中体温管理: 37℃保温パッド必須(ハムスターは極めて低体温になりやすい——体重<60g)。術後: メロキシカム0.2mg/kg PO/SC q24h×3-5日、ブプレノルフィン0.05-0.1mg/kg SC q8-12h×24h。切除腫瘤は病理組織検査(良性脂肪腫 vs 浸潤性脂肪腫 vs 脂肪肉腫)。浸潤性脂肪腫(筋膜浸潤): 1-2cmマージンで広範切除、再発率高い。漿液腫のモニタ(脂肪腫除去後に多い——通常自然消退)。参考文献: Harkness & Wagner (1995), Percy & Barthold (2007), Quesenberry & Carpenter (2012)。
予防
適正体重の維持——肥満が最大のリスク因子。高脂肪種子(ヒマワリ・カボチャ)は食事の<10%に制限。ソリッドサーフェス回し車を提供(適切サイズ: シリアン≥20cm径、ドワーフ≥16cm径)。定期健診時のボディコンディションスコアリング。
予後
良性脂肪腫の予後は優れている——外科切除で治癒。浸潤性脂肪腫: まずまず(再発率高く再手術が必要な場合あり)。脂肪肉腫(稀): 要注意〜不良(局所浸潤性、転移の可能性)。麻酔リスク管理(低体温予防、麻酔時間最小化)下でハムスターは脂肪腫手術に良好に耐える。
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